Fitbitは挫折しがちなフィットネス目標の達成をAIで支援する

Lisa Eadicicco (CNET News) 翻訳校正: 編集部2024年02月15日 07時30分

 定期的に運動している人か、少なくともそうしたいと考えている人なら、体調は日によって違うことを知っているだろう。例えば、会社からへとへとになって帰宅した日は、睡眠をたっぷりとった週末ほど運動する気にはなれない。月曜日にジムではりきりすぎて、水曜日になっても疲れがとれないこともある。

「Pixel Watch 2」と、「Fitbit」アプリを開いた「Pixel 8」
「Pixel Watch 2」と、「Fitbit」アプリを開いた「Pixel 8」
提供:James Martin/CNET

 Google傘下のFitbitは、昨今話題の人工知能(AI)をフィットネスアプリに取り入れることで、こうした多様なシナリオに対応したいと考えている。Fitbitの共同創業者James Park氏が2023年10月に発表した「Fitbit Labs」プログラムは、このアイデアを形にしたものだ(Park氏は、Googleが先日発表したハードウェア部門の再編を受けて、まもなくGoogleを退職する)。この新プログラムはAIを活用することで、ユーザーが自分の健康状態を細かく把握できるよう支援する。例えば、今日は昨日よりもランニングがきつかったなら、その理由を教えてくれるといった具合に。しかし、GoogleのグループプロダクトマネージャーのAjay Surie氏は、生成AIがFitbitアプリに与える影響はもっと広範囲にわたると述べる。

 Surie氏によると、Googleは生成AIを活用することで、ユーザーに合ったエクササイズを個別に提案することを目指しているという。Googleの取り組みが示しているように、大手テクノロジー企業は今、生成AI(大量のデータを学習させることで、ユーザーの指示に合わせて質問に答えたり、コンテンツを作成したりできるAI)を人々が日常的に使っているハイテク機器に組み込もうとしている。

 「ユーザーが目標を達成するために必要なアドバイスを提供する上でも、AIは非常に大きな役割を果たす可能性がある」と、Surie氏は言う。「健康に関しては、私自身も含めて、多くのユーザーが途中で気がそれてしまい、目標を達成できないという大きな問題を抱えているからだ」

 Surie氏はAIの活用例として、エクササイズ目標の達成を挙げる。世界保健機関(WHO)によれば、成人は週150分の運動をすることが望ましいという。しかし、この目標は運動を始めたばかりの人にはきつく、経験豊富なアスリートにはものたりない可能性がある。ユーザーが適切な目標を設定できるよう支援する上でも、AIには「非常に大きな可能性」があるとSurie氏は言う。

 「ユーザーが目標の達成状況を把握し、適宜必要な修正を加えながら、運動を継続できるよう支援したい」(同氏)

 AIを活用すれば、ユーザーの状況に合わせて提案やアドバイスをカスタマイズできる可能性もある。例えば、最近の睡眠時間や体調不良の有無をもとにデイリーガイダンスの内容を変えたり、十分な休息が取れないときに運動を続けるヒントを教えてくれたりするかもしれない。もっとも、これはFitbitが将来的に実現したいと考えている機能の例にすぎない。

 「これは長期的な目標だ」とSurie氏は言う。「これは未来のビジョンであって、すぐに実現するわけではない」

 Fitbitは2023年に「Fitbit」アプリを刷新した。これは1つには、Fitbit Labsの登場に備えて、ユーザーごとにアプリの内容をカスタマイズできるようにするためだ。例えば「今日」タブでは、運動の増加や睡眠の質向上など、ユーザーが重視する目標に合わせて、上部に表示される統計データを変更できるようになった。

 しかし、長年Fitbitアプリを使っているユーザーの多くは、新しいデザインはフィットネスへの意欲を高めるどころか、むしろ損なうものだと感じた。2023年の秋に新アプリがリリースされると、Fitbitのコミュニティーフォーラムは、デザイン変更のせいで特定の指標が見つけにくくなった、データをエクスポートしにくくなったといった否定的なコメントであふれた。Fitbitは「Fitbitチャレンジ」や「オープングループ」といった、愛用者の多かったソーシャル機能も2023年に削除している

 Fitbitはユーザーの不満を受けて、アプリと接続しているFitbitデバイスのバッテリー残量を「今日」タブで再度確認できるようにしたほか、「iOS」版アプリの歩数カウントなど、一部の機能を復活させた。しかし、その後もユーザーの不満は解消されず、この記事を書いている2月上旬の時点でも、Fitbitコミュニティーフォーラムにはコメントの投稿が続いている。

 こうしたユーザーの声に対して、Fitbitチームは「とにかく、できる限り素早く対応することを目指した」とSurie氏は言う。「コミュニティーフォーラムではユーザーと活発に交流し、ユーザーの意見に耳を傾けると同時に、変更の意図も説明した。また、状況を改善するために、できる限り迅速にフォローアップした」

 Fitbitの取り組みは、生成AIの影響がスマートフォンや生産性ソフトウェア、検索エンジンにとどまらず、健康分野のガジェットにも広がろうとしていることを示している。例えばAppleは、「Apple Watch」が収集したデータをもとにユーザーに助言を提供する、AI搭載の健康コーチングサービスを計画しているとBloombergは伝えている。サムスンも、「Samsung Health」アプリのユーザーが健康データを有効に活用するためのバーチャルアシスタントの開発を検討している。

 サムスン電子のバイスプレジデントで、モバイルエクスペリエンス事業デジタルヘルスチームを率いるHon Pak氏は先日、米CNETのインタビューで次のように語った。「どのようなフォームファクターにするかはまだ決めていない。それは人によって違うかもしれない。音声だけでいいという人もいれば、テレビに映像を映したい人もいる」

 2024年に登場予定のFitbit Labsは、当面はプレミアム会員向けとなる。今後も新機能は有料会員のみに提供されるのかについて、Surie氏は言及を避けたが、どの機能を非有料会員にも解放するかはケースバイケースで考えていくと述べた。Fitbit Labsの目的は、新機能をテストし、ユーザーからフィードバック集めた上で大規模に展開することだ。その内容は、Fitbitの将来を垣間見せるものとなる可能性がある。

 「こうした活動では、情報の提供、特に健康関連の情報の提供には責任を持って取り組んでいくつもりだ」とSurie氏は述べた。「健康に関する助言を求めたら不正確なアドバイスが返ってきたというのは、Netflixで映画を観たら駄作だったという経験と同次元では論じられない」

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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