Appleは次期「iPhone」にGoogleの生成AIモデル「Gemini」を搭載する可能性があると、Bloombergが米国時間3月17日に報じた。
この記事では、事情に詳しい複数の関係者の話として、AppleがGeminiのライセンス契約の可能性についてGoogleと交渉中だと報じている。Geminiは、簡単な指示に基づく作文や画像の生成など、iPhoneの生成AI機能の一部に採用される可能性がある。一方、開発中と報じられているAppleのAIモデルは、オンデバイスでの機能実行を可能にすることに主眼が置かれるとみられる。
AppleとGoogleにコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。
今回の報道の背景として、競合するスマートフォンメーカーの間に、生成AI機能をいち早く主力スマートフォンに搭載しようとする動きがある。Counterpoint Researchによると、2024年~2027年に1億台を超える生成AI搭載スマートフォンが出荷される見通しだ。2022年終盤にOpenAIが公開したチャットボット「ChatGPT」が瞬く間に人気を博したことで起こった生成AIブームの波に乗ろうと、スマートフォンメーカーは急ピッチで取り組みを進めている。
2024年1月に発表されたサムスンの「Galaxy S24」シリーズに加えられた最も顕著なアップグレードが、「Galaxy AI」だった。Galaxy AIとは、生成AIを活用するサムスンの一連の新機能の総称だ。Googleのスマートフォン最上位機種である「Pixel 8 Pro」は、現在「Gemini Nano」を搭載している。Gemini Nanoは、録音された会話を要約する機能(英語版のみ)や、「Gboard」の「スマートリプライ」機能(USキーボードの英語のみ)などに利用されている。
もしGoogleとの契約が実現すれば、Appleが生成AIの取り組みを一部の人が期待するほどには進めていないことの表れともいえる。Bloombergによると、Appleは以前、「ChatGPT」開発元のOpenAIとも交渉していたという。
Appleは新興テクノロジーに対し、慎重な姿勢をとることが多い。例えば、同社は折り畳み式スマートフォンを発売していない唯一の大手スマートフォンメーカーだ。しかし、AIのような急速に発展している分野で後れを取るリスクを心配する声もある。
2024年に入るまで、Appleは大手IT企業を取り巻く生成AIの熱狂から距離を置いていた。しかし、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は最近の決算説明会で、「生成AIとAIはAppleにとって大きなチャンスだ」と語った。同氏はその際、「非常に楽しみなことがいくつかあり、年内に話すことになるだろう」としていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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