パーソルイノベーションは1月4日、同社が展開するリスキリング支援サービス「学びのコーチ」において、企業におけるリスキリング施策の実態調査を実施したと発表した。
同社では、リスキリングを「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義している。また、全国の企業に勤める従業員を対象に、「リスキリング」に関する定点調査を四半期ごとに実施している。
今回の調査は、2023年11月17日から11月21日までの期間で実施。対象人数は、660人。企業属性として、従業員数が300人以上の「大企業」、従業員数が300人未満で新規事業開発と成長を経営の主軸に置かない企業および、従業員数が300人未満で新規事業開発と成長を経営の主軸に置く企業の「中小企業とスタートアップ」が対象となっている。ただし、大企業であっても、子会社やグループ会社は含まれていない。
今回の調査において、「直近1年の間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを行いましたか?」という問いでは、「実施した」が前回の49.1%に比べ8.2%減少し、40.9%だった。
企業規模別の回答では、大企業に勤めている人の「実施した」との回答が57.3%(前回64.3%)であるのに対し、中小企業とスタートアップに勤めている人の「実施した」が34.6%(前回40.5%)となり、リスキリング施策は引き続き大企業が先行して取り組んでいる結果となった。
所属企業が取り組むリスキリング施策において、「どのスキルを習得することを重視していますか?」という問いでは、「データ活用」(35.5%)が最も多く、「リーダーシップ」(32.4%)、「AI活用(ChatGPT等)」(31.5%)と続いた。
過去の調査と比べ、「リーダーシップ」がランキング上位に入っており、社内の取り組みを進めていくためにもリーダーシップが必要性が改めて認識されている。
企業規模別の回答をみると、大企業に勤めている人の1位は「データ活用」(43.4%)。2位は「AI活用(ChatGPT等)」(41.1%)、3位は「リーダーシップ」(40.3%)となった。
一方で、中小企業とスタートアップに勤めている人の1位は「データ活用」(28.5%)だった。また、2位は「リーダーシップ」で24.6%、3位はセキュリティで20.8%となった。
「どのように評価されていますか?」という問いでは、「大きな成果が実感できた」との回答が、16.4%(前回28.7%)となっていた。
また、「成果を実感できた」との回答は、56.9%(前回52.1%)となり、リスキリング施策の成果を感じている企業は前回調査に引き続き、全体で70%以上となっている。
ただし、「どちらともいえない」と「あまり成果が出ていない」との回答も増加しており、企業によっては安定した成果を得られていない。
「どの程度の期間で実施されましたか?」との問いでは、1位が「1カ月以上3カ月未満」(29.4%)。2位は、「3カ月以上6カ月未満」(25.2%)。3位は、「6カ月以上1年未満」(16.8%)となった。1カ月未満の短期での取り組みは少なく、半年以内の実施が多い結果となっている。「どのステップ(図参照)にありますか?」との問いでは、「ベーススキルの習得」が40.8%と最も多く、次いで「DXリテラシーの習得」(24.4%)となった。
「対象となる方は、主にどのような階層ですか?」という問い(40歳以上をミドル/シニアと定義)では、「一般(ミドル/シニア)」が56.2%で最も多かった。次いで、「管理職」(52.0%)、「一般(ミドル/シニア以外)」(27.8%)となっている。
今回の調査では、2024年度のリスキリング施策の方針も新たに聴取した。「2024年度にリスキリングの取り組みを行っていく予定はありますか?」との問いでは、43.8%の企業が実施する計画がある、もしくは実施する意向があることが判明。
これを企業規模別でみると、大企業に勤めている人の「実施する計画がある」との回答が37.8%、「実施する意向がある」との回答が21.8%となった。
大企業の半数以上については、リスキリング施策を実施する計画があるもしくは、実施する意向があり、2024年度も大企業が先行して取り組んでいく結果となっている。
所属企業において、「リスキリング施策の計画にあたり、注目(参考に)している業界はありますか?」という問いでは、1位が「建設・土木・工業」で28.8%、2位は「電子部品・デバイス・電子回路製造業」で26.0%、3位は「情報サービス業」で17.4%となった。
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