OpenAI元CEOのアルトマン氏、マイクロソフトに移籍へ

David Gewirtz (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2023年11月21日 08時19分

 OpenAIで先週末に起きた急転直下の解任劇を経て、同社の共同創設者であるSam Altman氏とGreg Brockman氏は、Microsoftに移籍することになった。両氏はMicrosoftで、「新たな先進AI研究チーム」を率いるという。

Sam Altman氏
提供:Justin Sullivan/Getty Images

 しかし、これが発表されてから数時間後に、約500人のOpenAIの従業員らが取締役会に宛てた公開書簡を発行した。両氏を復帰させないならば、退職して両氏とともにMicrosoftに移籍するとしている。OpenAIには700人超の従業員が在籍している。

 一連の騒動の発端は、OpenAIが米国時間11月17日午後に、Altman氏の解任を発表したことだ。同氏が今後もOpenAIを率いていく能力を取締役会は信頼していないというのがその理由だった。

 同社は、OpenAIの創設と成長に対するAltman氏の貢献に謝意を表しつつ、同社が前進するためには新しいリーダーシップが「必要」だとした。

 取締役会は、最高技術責任者(CTO)のMira Murati氏を暫定CEOに任命し、同社の研究、製品、安全機能を統括してきたため「極めて適任」だとしていた。

 週末を通してこの報道の余波が広がる中で、Murati氏がAltman氏とBrockman氏の復帰を検討しているとする報道が浮上していた。会長兼社長を務めていたBrockman氏は、Altman氏解任を受けて、退職を発表していた。取締役会は、Altman氏の復帰を求める投資家や社員からの圧力を受け、この決断を再考しているとも報じられていたが、18日には撤回は不可能な状態になっていたようだ。

 Altman氏が復帰することはなく、Twitchの共同創設者で元CEOのEmmett Shear氏が、Murati氏に代わって暫定CEOに就任した。

 次は何が起きるのかと憶測が流れる中で、Microsoftの会長兼CEOのSatya Nadella氏は20日、Altman氏とBrockman氏を「同僚ら」とともに、同社の「新しい先進AI研究チーム」に迎え入れることを発表した。

 「われわれはOpenAIとの提携に引き続き注力し、製品ロードマップや、Microsoft Igniteで発表したすべてのことについて革新を続ける能力、顧客やパートナーを支え続けていく体制に自信を持っている」と、Nadella氏は「X」の投稿で述べ、「Emmett Shear氏やOpenAIの新しい経営陣と親しくなって共に働くことを楽しみにしている」とした。

 Nadella氏はさらに、新たな先進AI研究チームの成功のために必要なリソースを供給すべく「迅速」に行動すると述べた。

 同氏の発表を受けてAltman氏は「ミッションは続く」とだけ述べた。

 Nadella氏によると、Altman氏はMicrosoftの新チームをCEOとして率いることになる。このチームはGitHubやLinkedInなどのように、Microsoftの中で「独立したアイデンティティーと文化」を築く組織になるという。

 OpenAIの従業員らによる公開書簡では、役員全員の辞任と2人の新しい独立取締役の任命も求めている。

 この書簡に署名した人物には、 Murati氏と、OpenAIの共同創設者でチーフサイエンティストのIlya Sutskever氏が含まれている。取締役であるSutskever氏は、Altman氏解任の決断に関与したとの憶測が報じられていた。

 17日に今回の騒動が勃発して以来、沈黙を続けていたSutskever氏は、この書簡が明らかになる直前、次のようにXに投稿した。「取締役会の今回の行動に関与したことを深く後悔している。OpenAIに害を与えるつもりは決してなかった。私たちがともに築き上げてきたものすべてを愛しており、同社を再び結束させるために私にできることをすべて行うつもりだ」

 暫定CEOに就任したShear氏はXへの投稿で、OpenAIに関する30日間の計画を示した。その中には、「ここに至るまでの全過程」についての独立した調査を開始し、報告書を作成することや、顧客のために結果を出すために経営陣を「改革」することも含まれている。

 同氏は、暫定CEOを引き受ける前にAltman氏解任の理由を「確認した」ことも明らかにした。 「取締役会は、安全性に関する特定の意見の相違を理由にSamを解任したわけではない。理由はそれとはまったく異なるものだった。私は当社の素晴らしいモデルを商品化するための取締役会のサポートなしに、この仕事を引き受けたいとは思わない」

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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