OpenAIのCEO、「GPT-5」の開発には「困難な課題」--ハードウェアの可能性にも言及

Tiernan Ray (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 湯本牧子 高森郁哉 (ガリレオ)2023年11月08日 10時59分

 OpenAIの大規模言語モデル(LLM)プログラムの次期バージョン、通称「GPT-5」は、非常に困難な科学的課題に直面しているため、リリース時期について明確なスケジュールを設定するのは難しいという。同社の最高経営責任者(CEO)Sam Altman氏が米国時間11月6日に明らかにした。

提供:Tiernan Ray
Altman氏(写真右)と最高技術責任者(CTO)のMira Murati氏
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 サンフランシスコで開催された同社初の開発者会議「OpenAI DevDay」後の記者会見で、同氏は「GPT-5と呼ぶモデルを開発する前に、われわれが解決しなければならないことはまだたくさんある」と述べた。

 この発言は、同技術の今後の方向性について出された多くの質問に対し、同氏と最高技術責任者(CTO)のMira Murati氏が回答する中で出たものだ。やり取りの中には、OpenAIが独自の消費者向けハードウェアデバイスを開発する可能性に関する話題もあった。

 Altman氏はGPT-5までの道のりについて、「いくつかのことは失敗に終わるかもしれないし、多くのことが起こるかもしれない」「開発するには、いくつかの非常に困難な科学的問題を解決しなければならず、さらに多くのコンピューターを構築していく必要がある」と述べた。

 そうした理由から、「これらについてタイムラインを予告するのは非常に難しい」という。

 Altman氏は、リリース時期がいつになろうとも、GPT-5はこの技術に対する人々の認識を変えることになると予告した上で、これまでの各バージョンが段階的に能力を拡大させてきたことを振り返った。

 「『GPT-3』がうまく機能した用途は1つだけだ」「(GPT-3を基盤とした)ビジネス、例えばコピーライティングサービスなどを構築した人々が挙げられるが、限られたものだった」(Altman氏)

笑顔で語る両氏
提供:Tiernan Ray

 Altman氏によると、GPT-3は「他のいくつかのことでは少し機能した」が、後継のGPT-3.5は「5~8種類のカテゴリーでうまく機能した。GPT-4で初めて、数十ものカテゴリーでまともに機能するようになった」という。

 「さらに機能が向上すると予想できるだろう。そしてGPT-5の頃までに、構築したいものの大半に対応できるようになると予想している。だから傾向は一貫していると思うし、どの時期であれ、現行バージョンが不得意な分野についての知恵のようなものは大きく変わる」(Altman氏)

 OpenAIが消費者向けハードウェアの開発に関与するかどうか尋ねられたとき、Altman氏の回答は哲学的だった。約束はしなかったが、可能性を排除することもなかった。

 「われわれは素晴らしいものを生み出したいと思っている。やるべきことがあれば、実行するだろう」

 Altman氏はさらに「私は、これほど大規模で新しい生産的技術が登場するたび、素晴らしい新デバイスが登場するはずだと確信している」と語った。

 Elon Musk氏の新会社xAIがOpenAIのカンファレンスの2日前に独自のチャットボット「Grok」を発表した理由について、OpenAIに対する敵意の表れではないかとの質問もあった。

 Altman氏は「ElonはElonのままだ」とほほ笑んだ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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