アクトインディ、「保育園留学」と「山村留学」を調査--認知度は約3割、課題は

 子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」を運営するアクトインディは11月6日、「保育園留学」と「山村留学」についての調査を発表した。

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 10月2日~10月19日にかけて、いこーよのウェブサイト、もしくはアプリのユーザーを対象にユーザーアンケートを実施し、認知度や興味の程度などを調査、分析。全国のお出かけ施設やレジャー施設に向けた課題解決メディア「いこーよ総研」において発表したものをまとめている。サンプル数は343。

 なお、「保育園留学」は、1〜2週間ほどの期間で、子どもが保育園に通いながら家族で好きな地域に滞在し、暮らしを体験できるプログラム。「山村留学」は、「自然豊かな農山漁村に、小中学生が1年間単位で移り住み、地元小中学校に通いながら、さまざまな体験を積む」活動を指すとしている。

  1. 「保育園留学」の認知度や興味は--親の仕事の都合、金銭面といった課題も
  2. 小中学生向け、長期的な「山村留学」
  3. いずれも関心は高いが、期間の長さなどで差

「保育園留学」の認知度や興味は--親の仕事の都合、金銭面といった課題も

 調査ではまず、「保育園留学」の認知度について聞いている。「聞いたことがあり、どのような制度かも知っている」との回答者は全体の10%。制度の内容まで理解している回答者は少数という結果となった。

 「内容までは知らないものの、聞いたことがある」は23%で、合計で30%以上が「聞いたことがある」と回答している。

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 次いで、「保育園留学」についてどの程度興味があるかをきくと、「すでに体験したことがある」が0.4%、「体験することを具体的に検討している」が2%と、ごくわずかという結果だった。しかし、「検討はしていないが、体験してみたいと思う」が12%、「興味があるので、もう少し詳しく制度を知りたい」が13%と、前向きな興味を示す人は約3割となっている。

 一方で、「特に興味はない」との回答者は35%。「体験してみたいと思うが状況的に難しい、もしくは不安がある」が38%となっていた。

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 「検討している」「体験してみたい」の回答者にその理由をきくと、「子どもや家族で自然豊かなところで一時的に暮らしてみたい」という理由が50%と最も多く、幼少期に自然が多いところで暮らしてみたいという意向が見受けられる。

 また、「ただ旅行に行くよりもその地域に深く触れる体験ができそうだから」が43%で続く。普段の生活とは違った体験ができるため、教育的観点から「保育園留学」に興味を示す人が多い。「保育園留学」を短期間の旅行ではなく、ワーケーションのひとつの形としてとらえる「ワーケーションの一つとして体験してみたいから」という理由も34%あった。

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 そのほか、「保育園留学」の懸念点としては、「親の仕事の都合」が多くみられたという。長期間の休暇調整やリモートワークの難しさを不安の要因に挙げている。一時的な環境の変化への不安や、「費用が高い」といった金銭的負担、兄弟姉妹への影響の声もみられた。

小中学生向け、長期的な「山村留学」

 「山村留学」では、保護者と離れて子どもだけで寮生活をしたり、家族で転居したりするなど、さまざまなケースがある。その間、子どもは地元の小中学校に通いながら、さまざまな体験ができるという。

 まず、「山村留学」の認知度は、「聞いたことがあり、どのような制度かも知っている」(7%)と「聞いたことはあるが、どのような制度かよく知らない」(28%)となり、約3割が聞いたことがあると回答している。

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 次いで「山村留学」への興味について調べると、「すでに体験したことがある」(0.4%)、「体験することを具体的に検討している」(1%)、「検討しているまでではないが、体験してみたいと思う」(11%)、「興味があるので、もう少し詳しく制度を知りたい」(15%)という結果となった。「体験してみたいと思うが状況的に難しい、もしくは不安がある」との回答も28%あり、現実的に利用するのは難しく不安はあるものの、取り組み自体には好意的な回答者も多い。

 一方で、「特に興味はない」との回答者も45%という結果となった。1年単位という長期的スパンである「山村留学」は、生活のスタイルを大きく変える必要があり、強い意向や必要性がなければ、参加してみようと思えないと理由を推測している。

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 「山村留学」を「具体的に検討している」「体験してみたい」との回答者に興味がある理由をきくと、「子どもにその地域ならではのさまざまなことを体験してほしい」が57%で最も多い結果となった。次いで「ただ旅行に行くよりもその地域に深く触れる体験ができそうだから」が40%で続いており、「自然豊かな地域での多様な体験活動が子どもたちの成長に良い影響を及ぼす」という教育的な観点から、「山村留学」に魅力を感じていると考察する。

 なお、その次は、「子どもや家族で自然豊かなところで一時的に暮らしてみたいから」(38%)が続いている。

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 そのほか「山村留学」の不安点として、子どもだけで山村に暮らすというプログラムが多いことから、「親と離れる不安」が特に目立ったという。さらに、現地での環境変化への不安、今ある環境を変える難しさ、親の仕事の都合、金銭面の問題なども懸念点として挙げられている。

いずれも関心は高いが、期間の長さなどで差

 「保育園留学」「山村留学」の項目ごとの比較も実施している。期間の長さが影響してか、「山村留学」に「興味がない」という人は「保育園留学」よりも多い、などがわかる。また、「山村留学」は子どもだけでその山村に暮らすというプログラムが多く、保育園留学よりも期間が長いため、豊かな自然を体験したいということだけでは動機になりにくいと推論している。

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 アクトインディは、「保育園留学」「山村留学」への関心は高いが、同時に不安や課題のハードルも低くないと説明。体験者に話をきく機会や短い滞在からトライするなど、現地での体験や生活をより具体的にイメージする準備期間が重要としている。

プレスリリース

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