著者の成田修造氏は、壮絶な家庭環境から起業家・ビジネスパーソンとして成功を遂げた。本書は自身が歩んだ苦難の人生とそれを乗り越えるための思考法を紹介した1冊である。14歳で父親が失踪、17歳で母親が障害を持つこととなり、著者の思春期は多くの試練に満ちていた。しかし、そんな状況でも決して腐ることなく、自分自身で人生を切り開いていった。その原動力となったのが「逆張り思考」である。
逆張りとはもともと株取引における用語で、「株価の上昇局面で売り、下降局面で買う手法」を指す言葉だ。失われた30年といわれるように、日本経済全体は長きにわたり低迷を続けてきた。ただ、そんな中でも成長を続ける市場や会社は確実に存在する。これまでの慣例や常識を疑い、人とは違う道を歩むことで、競争を避けながら成長できる、というのが本書の大きな主張だ。
著者自身、逆張り思考という行動原理に基づいて、さまざまな困難をチャンスに変えている。その結果、大学生の頃から役員として参画した「クラウドワークス」は創業からおよそ3年で上場を果たした。
本書では、人生の逆境や困難をどのように捉えどう向き合ってきたのか、著者自らが語り掛けるように等身大の言葉で伝えている。「起業に失敗した理由」「大会社に入るリスク」といった内容も語られており、社会人はもとより、これから就職活動を控えている学生などにも手に取っていただきたい1冊である。
今回ご紹介した「逆張り思考 戦わずに圧倒的に勝つ人生戦略」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。
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