「YouTuber」に期待できることが1つあるとすれば、何といっても、テクノロジー製品を極限状態でテストしてくれることだ。「iPhone」を凍らせたり、車でひいたりしている。
ここで紹介するのもその1つだ。ポーランド人YouTuberのMrkeybrdさんは、7日間かけて、Motorolaの「razr+」(北米以外での名称は「razr 40 ultra」)とサムスンの「Galaxy Z Flip5」の開閉を繰り返し、何回で壊れるかをテストした。言ってみれば、2023年に最も話題になっている折りたたみスマホ2機種のどちらが丈夫かを試す耐久コンテストだ。
両メーカーの公称によれば、どちらの機種も折りたたみ寿命は20万回ということになっているが、実際には、良くも悪くも大幅に違う結果となった。テストの詳細な結果とその意味をお伝えするが、テスト方法については話半分に聞いておいた方がいい理由もあわせて説明する。
Mrkeybrdさんの折りたたみテストは、チームのメンバーが30分交替で2機種の開閉を繰り返し続けるというものだった。テストの様子は米国時間8月2日から9日までライブ配信され、最終的にrazr+は折りたたみ回数が12万6266回を超えたところで壊れ、Galaxy Z Flip5は40万1156回まで耐えた。
実際には、razr+が脱落してからも、MrkeybrdさんはGalaxy Z Flip5の耐久テストを続けている。水中で30分間開閉したり、容器いっぱいの砂の中で開閉したり、さらには小麦粉に卵や牛乳を加えた中や、砂糖などの粒子の粗い素材でもテストを繰り返した。Galaxy Z Flip5は、そのすべてに耐えたのである。
単純計算してみると、Galaxy Z Flip5の折りたたみ寿命はrazr+の3倍以上となり、この差は大きい。というのも、1)両機種とも価格は同じ999.99ドル(約14万5000円)であり、2)Galaxy Z Flip5は公称値である20万回の2倍以上だった。サムスンは、期待以上の結果になるように、故意に公称値を低めにしたのだろうか。
こうした耐久テストの動画ではよくあることだが、答えはそう単純ではない。Mrkeybrdさんがフォローアップ動画で示唆しているように、どちらの機種でもメーカー公称の耐久回数と違う結果になったのには理由がある。メーカー各社は通常、機械を使って折りたたみの耐久度を計算しており、人が実際に折りたたんでいるわけではない(少なくともそう思いたい)のである。
つまり、テスターが人間の場合は、スマートフォンを持ったり、折りたたんだり、操作したりするときに、無意識に力のかけ方が変わるが、工場の機械は制御されているため常に一定の力がかかるという差がある。
ここから分かる結論としては、どちらの機種の購入を検討している(あるいは、すでに購入している)場合でも、次に買い換えるまでおそらく十分に持ちこたえるということだ。1日に平均60回開閉するとして、Mrkeybrdさんの動画を見る限り、razr+でも5年以上は使えるし、Galaxy Z Flip5なら寿命は最長18年にもなる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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