凸版印刷、ボトル内の液体を検知するNFCタグラベルを開発--容器の残量確認が容易に

 凸版印刷は7月5日、セキュアセンシングNFCタグの新ラインナップとして、静電容量式センサー機能を搭載したNFCタグラベルを開発したと発表した。

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 化粧品業界、医療・医薬品業界、酒類業界などに向け、8月より全世界で提供を開始する。

 同社は、2017年1月から開封検知機能を持つセキュアセンシングNFCタグを開発。これまでも、高級品の偽造品・模倣品対策や消費者への商品情報コンテンツの展開を支援してきた。

 今回開発したNFCタグラベルでは、静電容量信号入力を有したNXP SemiconductorsのNFC用ICチップ「NTAG 22x DNA StatusDetect」を採用。同社がこれまで培ってきた独自のアンテナ設計技術を生かし、NFCアンテナと液体検知回路を組み合わせたものになる。

 一対の電極回路をラベル内に形成し、容器の表面に貼付したNFCタグラベルをスマートフォンで読み取ることで、容器内の静電容量の大きさから液体の有無や残量を検知できるのが特徴。なお、スマートフォンからの電磁誘導により、自己発電して電流が流れるため、電源は不要で読み取れる。

 さらに、NFCタグの読み取りにより、ID情報だけでなく、演算による認証情報も取得可能。認証情報は、読み取りプロセスごとに異なり、クラウド上でその演算結果を判定するため、高いセキュリティ性を保有しているという。

 また、同じNFCタグを何度読み取っても、応答するURLが変化することで、URLのコピーや拡散などは無効となるため、商品の真贋判定にも活用が可能。表示されたページにキャンペーン情報などのコンテンツも掲載できる。

 今回のNFCタグラベルの活用により、中身の見えない容器の残量確認が簡単に行えるようになる。また、導入企業は、消費者に対して使用状況に応じたコンテンツ提供や追加購入の誘導など、カスタマーエンゲージメントサービスを提供できるという。

 同社によると、高級品のパッケージは意匠性や内容物の保護のため、中身の見えない容器が多く、容器の残量を手軽に確認できる手法が求められていた。

 加えて、企業側からもマーケティングや商品開発を目的として、商品購入後のユーザーの使用状況などを獲得する手段が求められてきた。しかし、現状はアンケートや購入データの追跡などが一般的で、使用実態に即したデータ取得の手法はないという。

 こうした課題に対し、容器内の液体を簡単に検知できるNFCタグラベルを開発した。

 従来、静電容量の仕組みを用いた液体検知は、工業用途において専用機器を使用する方法が一般的だったが、今回開発したNFCタグラベルでは、液体検知機能を搭載することで、NFC対応スマートフォンでの検知を実現している。

 同社では、今回開発したNFCタグラベルを含むセキュアセンシングNFCと環境配慮型NFCタグラベルをグローバルに拡販し、2025年度に全世界で関連受注を含めて約20億円の売上を目指す。

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