凸版印刷は、“くずし字”で書かれた古文書を現代の文字などに解読できるスマートフォン用アプリ「古文書カメラ」について、iOS版を配信開始した。制限付きで無料利用が可能。Android OS版は、2023年秋に配信を開始する予定。
古文書カメラを使うと、スマートフォンで撮影したくずし字資料を誰でも簡単に解読できる。国文学研究資料館と共同研究してきた、くずし字用のOCR技術がベース。2022年9月からは、京都市歴史資料館と三井文庫、和洋女子大学の協力を得て実証実験を行い、AI対応OCRの読み取り精度向上やUI改善に取り組んだ。
くずし字用のAI-OCRは、木版を用いて印刷されたくずし字資料に対応した「版本AI-OCR」と、手書きの古文書に対応した「古文書AI-OCR」を搭載。これにより、幅広い資料の解読に使えるという。
撮影した文書を一気に解読する手軽な「フルオートモード」と、文書の一部分だけ解読する高精度な「範囲選択モード」という、2種類の動作モードが選べる。複数の解読候補から選択できる機能や、解読結果を修正できる機能も備える。修正内容はAIの再学習へ反映される。解読した結果は、画像やテキストで保存可能。
古文書カメラのインストールは無料。解読も、1日10回までは無料で利用できる。回数制限の解除機能は有料で、2023年夏に予定しているアップデートで案内する。
凸版印刷は、明治期から昭和初期(近代)に書かれた手書き文字の解読が可能なOCRも開発している。
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