Googleは、先日開催された「Google I/O」カンファレンスで、Appleに皮肉を見舞い、あるメッセージを伝えようとした。それは、「iOS」と「Android」という2つのプラットフォームを横断して、より統一感のあるコミュニケーションの仕組みを実現するには、Androidで採用しているメッセージ規格「Rich Communication Services(RCS)」のサポートがおそらく唯一の手段だ、ということだ。この件でGoogleは2022年夏にもウェブサイトを立ち上げてキャンペーンを行っており、今回さらに自社の意図を明確に伝えるべく、こうした行動に出たようだ。
するとAppleは、2023年秋にリリース予定の次期モバイルOS「iOS 17」で、「iMessage」に新たな変更を加えた。これはGoogleの問題提起に対する回答とも解釈できる。この変更により、「iPhone」ユーザーがAndroidユーザーと同一のスレッドでメッセージをやり取りする際、これまでより不便さが緩和されている。
これまでは、Androidユーザー(iMessageユーザーとは違い、緑色の吹き出しで表示される)を交えたグループチャットでは、iPhoneユーザーも送信済みメッセージの編集などの主要な機能へのアクセスが制限されていた。また、メッセージ上に投稿される写真や動画の圧縮率も、通常よりも高くなっていた。
iOS 17では、これらの機能に対するiPhoneでの制約が緩和される。RCSが導入されたわけでないが、これによってAndroidユーザーがソーシャルグループから仲間はずれにされる可能性が減ることを期待したい。実際、Androidユーザーが排除されるという問題が起きているからだ。
だがこの変更にも落とし穴がある。Android側のメッセージアプリでは、テキストメッセージの編集が反映されないのだ。つまり、チャット中にiPhoneユーザーがタイプミスを修正しても、このチャットに参加しているAndroidユーザーにはそれが表示されないということだ。
結局、iOS 17でiMessageのグループチャットに加えられた変更は、iPhoneユーザーにのみ恩恵をもたらすものであり、Androidユーザーのテキストメッセージ体験をさらに損なうものとも考えられる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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