Xperia 1 Vの内部には、12GBのRAMと、先述したSnapdragon 8 Gen 2チップが搭載されている。このスペックのおかげで、Xperia 1 Vは快適かつ高速に動作する。何日にもわたって大量の写真や動画を撮影したが、全く問題はなかった。ソーシャルメディアのスクロールやゲームのプレイといった日常的な操作も快適だ。Snapdragon 8 Gen 2は、そうした優れたパフォーマンスに大きく貢献している。米CNETでは、2023年に入ってからGalaxy S23 UltraやASUSの「ROG Phone 7 Ultimate」など、同チップを搭載する他のスマートフォンも試しており、同様のパフォーマンスを確認している。ベンチマークテストでは、Xperia 1 VはサムスンやASUS、Vivoと並んで、優れたスコアを叩き出した。
バッテリーに関しては、1回充電すると余裕を持って1日は持続したが、4Kディスプレイが、特に120Hzに設定している場合、バッテリーを大量に消費する。筆者は、ソニーが4Kディスプレイを採用したことに疑問を感じている。これだけの解像度と高いフレームレートを備えているのは本当に素晴らしいことだが、4Kよりも解像度の低いQHDが採用されていたら、バッテリー持続時間が長くなり、全体的なコストも多少抑えられたはずだ。ほとんどの人は4KとQHDの違いを認識できないと思う。とはいえ、先述したように、Xperia 1 Vは、おそらくその違いを認識できる人、特にスマートフォンを外部モニターおよびレコーダーとして使うことを考えている人をターゲットとしている。
米CNETの動画ストリーミングテストでは、ディスプレイの輝度を50%に設定して、Wi-Fi経由で動画を数時間ストリーミングした。120Hzの4Kディスプレイを搭載するXperia 1 Vのバッテリー残量は、100%から1時間後に88%に低下し、2時間後には75%まで下がった。参考までに、120HzのQHD画面を備える「OnePlus 11」で同じテストをしたところ、バッテリー残量は100%から1時間後に92%に低下し、2時間後には85%に下がった。
充電に関しては、Xperia 1 Vは30Wの急速充電をサポートしている。Xperia 1 Vには、充電器はおろかUSB-Cケーブルさえ同梱されていない。だが、30Wの充電器で30分間充電したところ、バッテリー残量は25%から73%になった。Xperia 1 Vはワイヤレス充電もサポートしており、30分間のテストでバッテリー残量は58%から85%に回復した。
筆者は、ソニーがXperiaシリーズのスマートフォンで実現していることを大いに支持している。Xperia 1 Vは、長年にわたる革新と改良を体現しており、アーティストやクリエイティブなユーザーをターゲットとした製品だ。その観点からこのスマートフォンを判断するなら、Xperia 1 Vは求められる要素の多くを備えている。
ただし、筆者のお気に入りのXperiaスマートフォンは、どちらかといえば、少し低価格の「Xperia 5」シリーズだ。それでも、2022年の「Xperia 5 IV」の価格は999.99ドル(日本では11万9900円から)であることに注意してほしい。Xperia 5シリーズは、Xperia 1シリーズの驚異的な仕様と機能のほとんどを継承する傾向にあるが、価格はXperia 1シリーズよりも安い。
個人的に、舞台演出や短編映画制作をやっていた頃であれば、Xperia 1 Vを大いに気に入っていたと思う。だが、実際に購入する余裕はなかっただろう。代わりに、ソニーのαシリーズのAPS-Cカメラのような専用機を選択していたと思う。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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