あえてXperia 1 Vを検討する価値のある使い方が1つある。専用カメラの外部フィールドモニターやビデオレコーダーとして使う場合だ。外部カメラから、Xperia 1 Vを通じてライブストリーミングできるほか、ビデオフィードを録画できるようになった。ディスプレイの解像度が4Kなので、ATOMOSやSmallHD、Blackmagicなど、FHDディスプレイを採用しがちな他の外部モニターレコーダーと差別化されている。1399.99ドルとはいえ、1099ドルのiPhone 14 Proと400ドル(約5万4000円)のFHDディスプレイを購入するコストと比べれば、妥当に感じられる。
Xperia 1 Vは先行予約が既に始まっており、日本では6月中旬以降に発売予定だ。
ハードウェアとしては、4基のカメラのうち3基は前モデル「Xperia 1 IV」と同じだ。前面には12メガピクセルの自撮り用カメラ、背面には同じく12メガピクセルの超広角カメラと12メガピクセルの望遠カメラを備える。新しくはないものの、この望遠カメラこそ、Xperia 1 Vで際立っている機能の1つだ。可変式望遠レンズを採用し、3.5~5.2倍の光学ズームを実現している。これと比較すると、iPhone 14 Proは光学ズームが3倍までで、それ以上はデジタルズームになる。また、Galaxy S23 Ultraは3倍と10倍の光学ズームカメラを備えているが、3倍と10倍の間の倍率はすべてデジタルズームになる。デジタルズームの場合、倍率が上がるほど、画像は劣化していく。
使ってみると、Xperia 1 Vの望遠カメラはiPhoneよりずっと汎用性が高く感じる。Galaxy S23 Ultraで採用されているデジタル100倍の「スペースズーム」こそないものの、被写体から遠く離れているとき、クローズアップのスナップ写真や動画を撮影できる機能は、サムスンに負けていない。Xperia 1 Vも、Galaxy S23 Ultraと同じく、財布に余裕のある保護者にとって夢のようなスマートフォンになるかもしれない。学校のお遊戯や発表会、サッカーの試合などでも、子どもの顔を簡単にクローズアップで撮影できるからだ。
だが、本当の新機能は、メインカメラに使われているソニーの新しい52メガピクセルセンサーだ。大半のスマートフォンは正方形に近いセンサーを採用しているが、このセンサーは幅が広い。ほとんどのスマートフォンは、写真撮時にはセンサー全体を使用するが、動画を撮るときにはセンサーの中央を16:9のアスペクト比にトリミングして使っている。
そこでソニーがどうしたかというと、センサーの高さの面をすべて使えるように、幅を広げたのである。写真の方は、両サイドをトリミングして48メガピクセルに落とし、グループとして「ビニング」して12メガピクセルの写真を生成する。新しいセンサーは速度も上がったため、コンピュテーショナルフォトグラフィーによる処理を増やせるようになっている。
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