--GT7の開発がVRを念頭に置いたものであるというのは、当初からご存じでしたか。それとも、GT7の前から決まっていたのでしょうか。
きちんとしたVRを導入したいというのは、最初の「グランツーリスモ」のころから夢見ていたことで、真のVRを消費者レベルでも利用できるようにしたいと思っていました。われわれは、その実現を夢見ていた人々の一部にすぎなかったんだと思います。
「グランツーリスモ7」でのVRの開発作業は、「グランツーリスモSPORT」の完成直後に始まりました。「グランツーリスモSPORT」で初めてVRに対応したとき、VRハードウェアと「グランツーリスモSPORT」の開発は同時に進行していたわけではありませんでした。そのため、当時は、ハードウェア(PS VR)に対して限定的にしか対応できませんでした。ですが、VR2の場合は、発売されることが最初から分かっていましたし、ハードウェアの仕様も分かっていました。そのため、開発の本当に最初の段階から、全部がVR対応になるように作ることができました。
それと、GT7は4K/60fpsのレンダリングにネイティブで対応する数少ないゲームの1つです。それが可能なのは、当初からVRを念頭に置いていたからです。
--PlayStation VR2対応に取り組んだ経験から学んだことの中で、今後もっと探求してみたいと思っていることはありますか。例えば、アイトラッキング(視線追跡)はどうでしょうか。
「グランツーリスモ7」の開発では、極めて自然なVR体験を提供することに焦点を当てました。その重要な要素の1つは、VR酔いをいかに抑制し、防ぐかということでした。これは難しい問題です。人によって反応が異なるからです。VR酔いになりやすい人もいれば、なりにくい人もいます。その理由は、次に何が起こるかという脳の予測モデルは、人によって異なるからです。例えば、レーシングカーのドライバーの場合、次のコンマ数秒間に起きることについて、普段それほど高速で運転することのない人とは脳の予測モデルが異なります。VR酔いが発生するのは、画面上で起きることと、脳が予測していることの間に食い違いがあるときです。
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