「グランツーリスモ7」(GT7)が「PlayStation VR2」(PS VR2)で最もリラックスしながら落ち着いてプレイできるゲームになるとは思いもしなかった。確かに、GT7は物理法則を極めて厳格に再現した高速レースゲームだ。しかし、筆者にとっては、「テトリス エフェクト・コネクテッド」に次いで最も集中できるPS VR2体験となった。さらに驚くべきことに、かなりのスピードでプレイしているにもかかわらず、筆者の場合、気持ち悪くなることはない。
「グランツーリスモ」(GT)シリーズのプロデューサーである山内一典氏は、筆者とのビデオチャットで、GT7での運転操作が非常に快適に感じられる理由や、設計に関する決定に影響を及ぼしたインスピレーションについて語ってくれた。また、実際の自動車を運転するときのように、友人と話したり、好きな音楽を聴いたりできるモードが追加される可能性にも言及した。
--実際にGT7をプレイしてみましたが、本当に楽しめました。また、不思議なことに、本作は非常に快適なゲームでもあります。本作の当初の設計において、VRはどれくらいの比重を占めていたのですか。
カーゲームはVRととても親和性が高いと思います。カーゲームでは、まず車体の内装に取り囲まれていて、次に、車体の周りの外の景色も見えます。実は、これこそがVR酔いを引き起こしにくい原因でもあります。車は前にしか進みません。それに、スピンするときもそこまで速くありません。曲がるときも、運転しているユーザーの意思に従って、非常にゆっくりと曲がります。
例えば、カーゲームで運転しているとき、プレーヤーの意図に反して車がスピンすることは、それほど多くありません。レース中も、ドライバーがどのような操作をしたいのかに応じて、左や右に精密に曲がります。そのため、プレーヤーの目に映る景色の動きと、脳が次に起こると予測していることでズレが生じないので、VR酔いを抑えるのに役立っています。
これらは、レースゲーム全般に当てはまることです。しかし、「グランツーリスモ7」とVRの親和性が高い理由に絞って話しているのであれば、車体の内装や外観、解像度から、あらゆるものの作り込みの高さといったこと全部ですね。何かが大きすぎたり小さすぎたりということがないように縮尺を正確にして、全体のバランスをうまくとって違和感のないように仕上げることで、優れたVR体験を可能にしています。
特に、実際に車を運転したことのある人にとっては、なじみのある空間となっています。車内にいるときは、ただ座るだけで、すぐに環境を認識し、「ここは自分の知っている場所だ。自分が何をしているのかも分かっている」となるでしょう。
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