AIチャットボットを使っていて楽しいのは、ばかげたプロンプトを入力して、どんな回答を出すのか確かめてみることだ。チャットボットがリアルタイムで韻を踏んだり、韻律を作ったりするのを見るのは、興味深い。
BingとBard、ChatGPTのうち、詩人として最も優秀だったのはChatGPTだ。ChatGPTは、散文として豊かであるだけでなく、韻と表現も、より創造的だった。BingとBardの詩がやっつけ仕事のように感じられたのに対し、ChatGPTによって生成されたそれぞれの詩節は、時間をかけて考え出されたもののように思えた。
自分が思っているほど重要な存在ではないということに気づき始めたオンラインインフルエンサーについて詩を書いてほしい、というプロンプトを入力したのだが、その狙いは、滑稽さと自己顕示を同じくらい織り交ぜて詩を作れるのか確かめることだ。この架空のインフルエンサーが直面している実存的危機の核心に迫りつつ、最後は肯定的な調子で終わり、本当にありそうだと感じさせる作品を生成できたのは、ChatGPTだけだった。
興味深いことに、Bingでは、創造性のレベルを選択することができる。「バランス」モードに設定されたBingが生成した詩は、ありきたりで平凡な感じがした。「独創性」モードに切り替えると、より華やかな表現を選び、退屈な印象が薄まった。ChatGPTに近づいたものの、まだ同じ水準には達さなかった。
それに比べると、Bardの詩は、適当に作られたような感じがする。多くの単語が繰り返し使われ、韻と韻律にもあまり注意が払われていなかった。
このテストで勝利を収めたのはChatGPTだ。
AIチャットボットの機能の1つに、複雑なトピックに関する情報を提供するというものがある。だが、それよりも見事なのは、その情報を、対象のユーザーに応じて分かりやすく説明する能力を備えている点だ。このテストでは、小学4年生に向けて量子物理学について説明してほしいとそれぞれのAIに伝えた。
3つのうち、最もうまく、複雑な量子物理学を子どもが分かりやすいように説明しようとしたのは、ChatGPTだった。ChatGPTは、ひもでつながれた玩具という簡単な例を用いて、量子もつれを説明した。量子もつれとは、2つの粒子同士が結びつくと、遠く引き離されても、非常に強い相関関係を持ったままになるという現象のことだ。
この質問に対して、BardとBingは小学4年生にとっては難しいと思われる言葉を使っていた。
このテストでは、どのチャットボットも特別秀でてはいなかったが、最も分かりやすい答えを返したのはChatGPTだ。
現状では、ChatGPT(有料版)が最高のチャットボットだ。ChatGPTは、Bingと、特にBardよりも人間らしく、細やかな答えを返す。だが、これらは常に進化している製品だ。GoogleとMicrosoft、OpenAIが自社のAIに、さらに多くのデータを供給し、小さな改良を重ねていくにつれて、今後、さまざまな改善が見られるはずだ。
GoogleはLaMDAからPaLMへの切り替えを予定しているため、伸び代が最も大きい。現行のBardは、まだ満足できる水準に達していない。新たな進展があるまでは、引き続きChatGPTを使用した方がいいだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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