Pixel 6aに欠けているもう1つの機能が、ワイヤレス充電だ。ケーブルをつながずにワイヤレス充電パッドに置くだけでスマートフォンを充電できる機能は、ほとんどの人にとって購入の決め手とはならないかもしれない。しかし、高リフレッシュレートと同様に、ワイヤレス充電も2023年の今となっては、特別な機能とは思えなくなってきた。特に、過去5年くらいで、多くのスマートフォンによく見られる機能になっている。とはいえ、同じ価格帯で競合するスマートフォンの多くもワイヤレス充電に対応しておらず、例外的に429ドル(6万2800円)の「iPhone SE」が対応しているくらいだ。
ありがたいことに、Wojciechowski氏の情報が正しければ、Pixel 7aではワイヤレス充電が実際に採用される可能性がある。
GoogleのPixelシリーズは、スマートフォンの中で、Androidソフトウェアの新しいアップデートが真っ先に届く。だが、同社はAndroid OSのバージョンアップデートに関して、サムスンほど長期間保証していない。サムスンの主要なデバイスでは、4世代分のAndroidのバージョンアップデートが保証されるのに対し、Googleは3世代までだ。GoogleはAndroidの提供者であり、自社製のPixelシリーズは理想的なAndroid体験を提供すると想定されているのだから、Googleは今後、サポート期間の延長を考えるものと期待したい。Pixel 7aに限らず、これから発売されるPixelシリーズすべてについてである。
Pixel 7と「Pixel 7 Pro」は顔認証でのロック解除に対応しているが、Pixel 6は対応していない。ユーザーの顔の深度マップを作成するAppleの「Face ID」と違って、Pixel 7の顔認証は、前面カメラを主に利用しているのだから、その機能をPixel 7aに搭載できない理由はないはずだ。サムスンのGalaxy A53 5Gも、Pixel 6aと同じ価格帯ながら、顔認証に対応している。
Pixel 7aでPixel 7と同じ顔認証が採用されるとしても、指紋認証やPIN(暗証番号)ほど安全ではないとGoogleが警告していることには注意しよう。そのため、これは決済の認証向けではなく、あくまでもロック解除を便利にする機能となっている。
GoogleがPixelシリーズを他のAndroidデバイスから差別化している大きな要素の1つが、他社にないソフトウェアおよびカメラ機能を搭載している点だ。Pixel 7で追加され、筆者が気に入っているのが「ボケ補正」という機能で、過去にピンぼけで撮影していたかもしれない写真をシャープにしてくれる。Pixel 7aが、Pixel 7およびPixel 7 Proと同じ「Tensor G2」プロセッサーを搭載するなら、このボケ補正もサポートする可能性がある。筆者がPixel 7をレビューしたとき、10年近く前の自分の写真が見事に鮮明になったことにかなり感動したので、これはぜひ実現してほしい。
Googleには、Pixelの次期aシリーズにもっと訴求力を持たせる機会がある。2023年の時点で標準と言える機能を追加すること、具体的にはワイヤレス充電の追加と、画面のリフレッシュレートの引き上げで、それを実現できる。Pixel 7aである程度の妥協が必要になるのは、価格の競争力を維持するうえでも、Pixel 7との路線を明確に分けるうえでも当然だろう。だが、上述したような機能をPixel 7aで採用したとしても、Pixel 7を同シリーズの廉価版から際立たせる点はまだ多い。画面は大きく、カメラの解像度も高いうえ、選択できるストレージ容量も大きいし、RAM容量についても同様だ。
GoogleのPixelに関する今後の計画の詳細は、5月に開催される開発者向け会議「Google I/O」でさらに明らかになるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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