したがって、折りたたみ式のPixelも開発者が苦労するデバイスになるかどうかと言えば、おそらくそうはならないだろう。Googleが製品ラインアップに折りたたみ式ディスプレイ技術を組み込もうとしているなら、折りたたみ式スマートフォンやさまざまなフォームファクターに合わせたAndroidのメジャーアップデートが行われると考えていいだろう。アプリのサイズを自動的に変更したり、Galaxy Z Fold4などの大型ディスプレイを使用する場合はデュアルスクリーンにしたり、あるいは内側と外側のディスプレイを活用するための仕掛けをさらにデフォルトアプリに組み込んだりするなど、ソフトウェアの機能向上を期待したい。
Googleはさらに、サムスンなど主要な開発パートナーとの連携を強化して、既存のアプリを折りたたみ式デバイス向けに最適化するだけでなく、この種のスマートフォンでのみ利用できるまったく新しいアプリを開発できるよう支援することになるだろう。こうしたパートナーシップは、Googleが第1世代となる魅力的な折りたたみ式デバイスを開発する上で極めて重要となる。とりわけ、分析企業StatCounterによると、折りたたみ式でない現行のPixelは米国でのスマートフォン市場シェアが2%にすぎないからだ。これに対し、サムスンは米国で30%近いシェアを握っている。
Pixelは、卓越したAndroid体験を「iPhone」やGalaxy Sシリーズのフラッグシップモデルより数百ドル安い優れたハードウェアで提供する傾向が強い。折りたたみ式のPixelを手頃な価格で発売するには、Googleのパートナーシップが鍵となる。価格を低く抑えることはより多くのユーザーを獲得するために不可欠であり、ひいてはそれが折りたたみ式デバイスを中心としたアプリを作ろうとする開発者の意欲を引き出すことになる。
言うまでもなく、こうした見方は仮定や推測に基づくものであり、Googleが折りたたみ式スマートフォンを発売するかどうか、確実なことは分からない。同社がソフトウェア開発企業と協力して普及を促進する戦略を取っているかどうかも不明だ。Googleが折りたたみ式というこのカテゴリーを主流に押し上げるには、その知名度で勝負する以上のものが必要にもなるだろう。Microsoftの「Surface Duo 2」やサムスンのGalaxy Z Foldが広く普及していないことを忘れてはならない。
しかし、筆者は依然として期待を抱いている。そうする必要があるのだ。標準的なスマートフォンはますます退屈で似たようなものになってきている。スマートフォンについて書くことを仕事にしている人間にとって、これは問題だ。折りたたみ式デバイスは、目新しいわくわくするような方法で物事をこなす機会を生み出すが、このカテゴリーが成功するか否かはGoogleにかかっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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