Googleは米国時間2月14日、「プライバシーサンドボックス」の初のベータ版を「Android」デバイス向けに提供開始した。「Android 13」搭載デバイスの「ごく一部」から順次提供していくという。これは、広告目的でサードパーティーに共有されるユーザーデータを制限することで、プライバシー保護を強化する取り組みだ。
使用しているデバイスがベータ版の対象として選択された場合、その旨を知らせるAndroidの通知を受け取ることになる。この機能を無効にしたい場合、あるいはどのようなトピックスがあなたの関心事として推測され、広告に利用されているかをチェックしたい場合には、「設定」の「Privacy Sandbox」(プライバシーサンドボックス)を選択する。広告を表示してほしくないトピックスがあれば、それをブロックするよう設定できる。
同社は、ユーザーに関する情報が広告主に流れることに対する世の中の意識の高まりと、Appleがターゲット広告の制限に向けた大規模な対策を講じたことを受け、大きな利益をもたらしている広告事業の進め方を徐々に変えてきている。
新たに導入されるプライバシーサンドボックスによって、広告主、そしてサードパーティーの広告サービスと連携しているアプリ開発者らは、Googleの新たな広告ソリューションを試せるようになる。プライバシーサンドボックスの新APIは、アプリやウェブサイトまたがったユーザーのアクティビティーを追跡するための識別子を用いないようになっている。ベータ版に参加しているアプリはこのAPIを使って、関連がありそうな広告を表示し、効果を測定できる。
Googleのプライバシーサンドボックス担当バイスプレジデントであるAnthony Chavez氏は同社ブログに「アプリをまたがった追跡への依存に背を向け、ユーザーのプライバシー強化に向けてデジタル広告を変革することは、豊かなモバイルエコシステムの未来にとって不可欠だ」と記している。
Chavez氏は広告に対する自社のアプローチに対する肯定的な見解を述べた上で、デジタル広告ビジネスにちょっとした波風を立てたAppleの「App Tracking Transparency」(ATT)機能についての批判を展開した。
同氏は「プライバシーサンドボックスでわれわれが果たそうとしている目的は、ユーザーのプライバシー保護を強化するとともに、オンラインでの成功に向けたツールを企業に提供するというものだ」と記し、「有効な代替策を提供しない大雑把なアプローチはアプリ開発者に害をもたらす上、ユーザーのプライバシー保護もできない。その結果、デバイスフィンガープリンティングなど、プライバシーを軽視したユーザー追跡方法につながっている」と続けた。
Chavez氏の投稿に記載されているリンクにアクセスすると、AppleのATT機能の効果を検証した調査の結果が表示される。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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