「ラブライブ!」ニジガク「A・ZU・NA」ユニットライブで見た“大好きがあふれるステージ” - (page 2)

 ここからはメンバーのソロ曲を2曲披露するパートに。まずは前田さんによるしずくの「Solitude Rain」から。白と黒のツートンカラーの衣装をまとい、TVアニメ1期8話のダンスシーンが映し出されるなかで、決意を示すようなセリフとともに歌う。演技派系スクールアイドルしずくによる“桜坂劇場の公演”と言えるような、ストーリー性を感じられるステージを披露した。

「Solitude Rain」
「Solitude Rain」

 続いては楠木さんによるせつ菜の「DIVE!」。TVアニメ1期3話のダンスシーンが流れるなかで熱唱。ロック曲とあってか、間奏では客席を何度も煽る一幕も。歌うなかでは腕を掲げたり手を広げたりと、本気系スクールアイドルせつ菜が目指す高みへの羽ばたきを感じさせるものとなっていた。

 そして大西さんは歩夢の「Awakening Promise」を歌う。TVアニメ1期12話のダンスシーンが流れるなか、そこで歩夢が髪に付けていた花や、大きなリボンが目を引く衣装そのままに大西さんが登場してパフォーマンス。“花”がある雰囲気をステージいっぱいに展開するなかで、真心系スクールアイドル歩夢の新たな夢に向かって進む気持ちを歌った。

「Awakening Promise」
「Awakening Promise」

 再度前田さんが和服風衣装に着替えて登場し、歌ったのは「エイエ戦サー」。時代劇をイメージした楽曲で、口上のセリフを述べるところや刀を振るシーンもあれば、間奏ではファンと一緒に素振りをするような場面もあり、より一体感を高めるものに。楠木さんは、せつ菜最初のソロ曲である「CHASE!」で、スクスタで炎が上がるステージでせつ菜が歌う姿を背景に、再びの熱唱。そして大西さんが歌ったのは「Break The System」。歩夢のイメージから一風変わった、SFをイメージさせる疾走感と緊迫感もあるような楽曲で、力強い歌声を響かせていた。

 幕間映像の続きで、客席を巻き込んだ演出も行われて盛り上がったのち、3人がステージ上に姿を見せて歌ったのは「Blue!」。同曲を収録している3rdシングルに描かれているような、マーメイドをイメージさせるような衣装に、ステージ上ではシャボン玉や“海の仲間”というダンサーも登場し、海の中にいるような幻想的な空間を作り出していた。さらに、スタンドマイクを前にして、「Dancing in the Light」と「Poker face&お願い!Fairy」の2曲を披露。王道アイドルを感じさせる曲調を振り付けで、キュートな雰囲気に包み込んでいた。

 MCパートで新情報を告知したなかで、りんかい線とのコラボ情報では、りんかい線のマスコットキャラクターである「りんかる」の人形を手に、みんなで頭にのせてみたり、楠木さんはりんかるをブランケットで包み込んで可愛がるという、ほっこりするような一幕も。

 その後は「フォルクロア ~歓喜の歌~」。民族音楽ともカントリーソングともいえるような曲調のなかで、高らかに喜びの歌を歌い、そして全体曲である「Love U my friends」では、終盤には銀テープも射出されて舞うなかで歌い本編が一区切りとなった。

 アンコールを求める声は、次第に「A・ZU・NA」コールへと変わっていき、そのコールに応えて3人が登場。アンコールとして歌ったのは「Just Believe!!!(12人Ver.)」。スクスタでの同曲12人バージョンのライブMVが映しだされるなかで、3人以外のメンバーはボーカル音源を流す形で披露し、12人でのステージと感じさせるものとなっていた。

 メンバーそれぞれから挨拶をするなかで、楠木さんは何度も「楽しかった」と口にしたほか、久々の声出しありの環境が嬉しかったことから、DAY.1ではソロ曲を歌っているときに少し潤んでしまったことなどを話しつつ、「ますます賑やかになっていくA・ZU・NAを、今後ともよろしくお願いします」と、笑顔で手を振っていた。

 終始明るく元気に挨拶をした楠木さんの一方で、前田さんと大西さんの挨拶はエモーショナルなものに。かねてから楠木さんは身体の事情により優木せつ菜役の降板ならびに、3月31日でニジガクの活動を終了することが発表されている。前田さんは感想を語るなかで、楠木さんに対する心情を吐露。楠木さんのせつ菜とともに自身として成長したこと、そして「ともりのせつ菜は、私たちの心の中にずっと生き続る」と語り、さらには楠木さんのことを抱きしめて感謝の言葉をかけていた。そしてファンに向けても、最高のステージができたことにお礼の言葉を述べていた。

 大西さんは、歓声が心に響いてライブが成功したと実感できたこと、A・ZU・NAだからこそできた世界を作り上げたライブであったこと、次に公演を控えるDiverDivaにバトンを渡せてよかったことなど、感想を語りつつファンに感謝の言葉を送っていた。そして楠木さんの降板にも触れ、このことを知ったときは、ひとり大泣きをしてしまったことを振り返る。そして楠木さんに連絡をし「今までの思い出は消えないし、大好きな気持ちも残り続けるから、A・ZU・NAのライブは絶対に、楽しいものにしよう」と誓いあっていたことを明かした。そして「歩夢としずくとせつ菜のA・ZU・NAは永遠に、ずっと一緒です」と思いを伝えると、大きな拍手と歓声に包まれていた。

 ラストナンバーとなったのは、ニジガク始まりの曲である「TOKIMEKI Runners」。挨拶するように移動しながら歌い、終盤ではステージ中央に3人が寄り添うように歌い進めるなか、前田さんの目が潤むようになり、大西さんを中心にして3人がハグするような形で歌い終わる。そこには、同じように目を潤ませた楠木さんの姿も。名残惜しさも感じさせるなか、3人が挨拶するなかではそれぞれが感涙しつつも改めて感謝の言葉を送り、声援に包まれるなかで締めくくった。

 A・ZU・NAが持つキュート感とアイドル感、そして七変化するというぐらいに、楽曲が持つさまざまな世界観が存分に楽しめるものに。終盤はエモーショナルな雰囲気になる一幕もあったが、キャストの明るいトークもあって、遊園地のごとく楽しい気持ちになれるステージとなっていた。

 また余談ではあるが、筆者が個人的に印象的だったところもいろいろとあり、そもそも前説で歓声が沸き上がって盛り上がっている光景に驚くぐらい、声援を控える期間は長かったと感じたり、「Cheer for you!!」における間奏での“A!Z!U!NA!”を、一緒に声を上げている光景で感激したり、「Just Believe!!!」が初めて披露されたのが、東京ガーデンシアターで行われた無観客でのニジガク2ndライブで、それ以降歓声を控える形となっていたため、奇しくも同じ会場で歓声がある状態で聴くことができたことに感慨深さがあったこともあるのだが、やはり触れておきたいのは「DIVE!」と「CHASE!」だろう。

「DIVE!」
「DIVE!」

 この2曲は“ゴリゴリの”と付くようなロック楽曲であるだけに、歓声があるということだけで熱気が違うと思えるもの。「DIVE!」は歓声がある状況での披露が初めてということもあって、曲が持つ熱さを感じさせるものに。そして「CHASE!」は、前述のようにせつ菜の最初にソロ曲であり、ヘッドライナーとしてけん引したニジガク1stライブをはじめとして、さまざまな場所で力強い歌声を響かせ続けた楽曲。それがこのタイミングで歓声のある光景が戻ってきたというのもグッとくるところ。なにより、見せ場にもなっていたロングトーンで響かせるシャウトは格別と、改めて感じさせるものであるのと同時に、うまく決まったと思えるようなシャウト後の笑顔も、心残るような光景だった。楠木さんは自身のTwitter(2月2日付け)で、「せつ菜はこれからも野望を叶えるためステージに立ち続けます」と綴っているのだが、真っ直ぐに歌う姿はこのことを伝えるものと感じられた。

 そして、終盤のMCの端々かた伝わってくるキャスト同士、そしてメンバーとニジガクに対しての想いの強さと大好きな気持ち。それはファンも同じで、最後にステージ上で挨拶しながら、楠木さんと客席とで「みんな、A・ZU・NAのことが」「大好き!」、「みんな、虹ヶ咲のことが」「大好き!」とコール&レスポンスとして、言葉で伝え合う光景が見られたのもグッときたところ。優木せつ菜は、大好きを世界中にあふれさせる、誰もが大好きを言える世界を広げていくことを野望として持っているスクールアイドル。そして、このライブでも大好きがあふれるステージになっていたと思えた次第だ。

 なお本公演は、期間限定でアーカイブ配信を実施。販売期間は、Day.1とDay.2の両公演ともに2月12日19時59分までで、配信期間は2月12日23時59分まで。詳細は「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ユニットライブ」特設サイトに記載されている。

(C)2022 プロジェクトラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

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