家族のごはんをサポートするアプリ「うちれぴ」--サッポロが実現した買い物から調理の一気通貫

 サッポロホールディングス(以下、サッポロHD)の新規事業として誕生した、家族のごはんをサポートする「うちれぴ」。2022年7月に正式版をローンチして以来、半年でMAU(Monthly Active Users)が5万名を超え、若年家族層を中心に多くのユーザーの心をつかんでいる。

 2022年12月には、東芝テックが開発・運営し、東芝データが運営を支援している「スマートレシート」と連携し、買い物から調理までの自動データ連携を実現した。うちれぴの新たな機能と、これからつくり上げていく世界観および事業としての展開について、事業を推進するサッポロHD 経営企画部 新規事業準備室・マネージャーの保坂将志氏と、アシスタントマネージャーの河内隼太郎氏に聞いた。

「何食べたい?→何でもいい→妻激怒」問題発、新規事業のスタート

 うちれぴは、保坂氏と河内氏の実体験である「何食べたい?→何でもいい→妻激怒」問題に端を発した事業アイデアから生まれたサービスである。

 2019年に行われた社内ビジコンで事業挑戦権を獲得し、事業モデルの見直しと実証実験を重ねて、2022年に正式サービス化に漕ぎ着けた。サービスの軸として、「食材の在庫管理およびレシピ提案」と、その日のごはんの情報やその感想を家族内で共有する「家族コミュニケーション機能」を備える。

 その上で他社のサービスとも連携し、献立に関しては約30社の食品メーカーが公開する約2万件の“お墨付き”レシピを掲載する。調理段階ではシャープの水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」やウォーターオーブン「ヘルシオ」にレシピを送り、スムーズな調理も行える。

うちれぴでは食品メーカーが自社製品をおいしく食べてもらうために考案した鉄板レシピを中心に約2万件のレシピが紹介されている
うちれぴでは食品メーカーが自社製品をおいしく食べてもらうために考案した鉄板レシピを中心に約2万件のレシピが紹介されている

 それらの機能を活用し、「家にある食材を起点としたレシピの提案」と、「リアルなやり取りから導き出される家族の嗜好性、料理への参画」という2つの観点から家庭の日々の献立決めを支援する。その結果、つくり手の負担を減らし、家庭の食事を豊かにするという価値を提供している。

 「家庭における料理家事問題を解決したいというメインテーマのもと、単純に課題解決するだけではなく、そこに至る過程でフードテックの要素を加えて、今まで世の中になかったサービスをつくりたいと思っています」と保坂氏は事業の方向性を説明する。

スマートレシートと連携しアプリの利便性が向上

 うちれぴはβ版のリリースを経て2022年夏に正式版を公開したが、当初は家族コミュニケーション機能が充実していた一方、β版での検証から食材の在庫管理は手作業に依存すると利用してもらえないことが分かったため、完全な体ではなかった。そこに今回スマートレシートとの連携機能を実装したことで、スマートレシートに対応しているスーパーや小売店で購入した食材情報がうちれぴに自動で取り込まれるようになり、アプリの利便性が大幅に向上している。

「買い物とレシピづくりは非常に密接な関係性です。何を買うかは何をつくるかにつながり、適当に安いものを買ってきて、後日レシピを考える段階で頭を悩ませることも往々にしてあります。そこを連結させることで便利なサービスになると捉え、試行錯誤した結果スマートレシートとの連携に至りました」(保坂氏)

スマートレシートの電子アプリとうちれぴの食品在庫管理機能が連携した
スマートレシートの電子アプリとうちれぴの食品在庫管理機能が連携した

 ユーザーの買い物情報をうちれぴに取り込むにあたっては、スーパーをはじめとする小売業者が保有している顧客購買データ(ID-POSデータ)の活用が合理的な方法となるが、各社が独自のシステムを構築し独自の方法で管理しているため、うちれぴがデータを取得するためには各社単位の協力が必要となる。当然スーパー側にもシステム改修作業が発生し、個人の購買情報をバッチではなく、紙のレシートのやり取りと同様にリアルタイムで連携させるためには、莫大なコストがかかってしまうのだという。

 そこで当初は購買明細が取りやすいネットスーパーとの連携を模索したが、購入してストックした家庭の食材から献立を考える観点では、衝動買いやまとめ買いをする行動になりがちな、リアル店舗での買い物とより相性が良いと考察。さらにユーザーが購買情報を登録する際は、作業を完全自動化しないと使ってもらえなかったため、実店舗で利用する電子レシートとの連携を採用したという。

 「スマートレシートは購買明細を保持しているうえ、事業者側が対応していればさまざまな小売業様にどんどん横展開していくことができます。データを保有するのも利用者なので、データ管理の面で店側に負担を掛けることもありません」と保坂氏は電子レシート活用のメリットを強調する。

 スマートレシートを選択した理由については、東芝テックがPOSレジのリーディングカンパニーであることを挙げる。同社は圧倒的シェアを持つだけでなく、今後の小売店舗のDX化や消費者行動のスマート化という可能性を見越して、紙のレシートを電子化するサービスであるスマートレシートを推進しており、今後導入店舗の増加も見込めるという。東芝テックとしても、うちれぴとの連携は店舗や生活者がスマートレシート採用を検討するにあたっての動機付けにもなるため、双方にとってWin-Winの関係となっている。

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