もう1つ、筆者が予想することなのだが、Suicaの処理が“オールクラウド化”した場合の利点が「決済サービスの拡大」だ。現状、Suicaはカード内に「バリュー」と呼ばれる金額データを保持しており、これがローカル処理で完結できる秘密となっている。だがセンター同期のタイミングの”ずれ”から不正利用対応に“ラグ”ができるという問題があり、あまり大きな金額を内部的に持たせるのはリスクとなる。現状でチャージ上限が2万円になっている理由の1つだと筆者は推測する。
これがクラウド経由で中央管理されるようになれば、不正な取引をすべて手元管理できるため、チャージした残高を一方的に消費されることを防止できるだけでなく、「Suicaそのものにポストペイ(後払い)機能を追加」することもできるはずだ。
これを実現するにはSuicaを利用するすべての加盟店などでのシステム対応が必要になるが、将来的なSuicaの拡張として「2万円を超えた高額決済やクレジット機能の付与」といった選択肢が出てくる。あくまで予想ではあるが、もしJR東日本がSuicaを戦略的に本格活用したいと考えた場合、当然考え得る流れだと考える。
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