Googleの2023年新型「Pixel」スマートフォンには、カメラにおける競争で優位に立ち続けるための新機能が追加される可能性があるという。
「Google Pixel 8」には、スタッガードHDRに対応するカメラセンサーが搭載される見込みだと、リーカーのKuba Wojciechowski氏が米国時間12月19日にツイートした。スタッガードHDRとは、スマートフォンが現在採用しているHDRをアップグレードした技術で難しい露光条件下で撮影された写真の画質を向上させる。Wojciechowski氏によると、Googleの軽量版カメラアプリ「Camera Go」のコードに、新型Pixelの開発コード名だと報じられている「Husky」と「Shiba」がスタッガードHDRに対応していることを示す部分があるという。
HDRは、ハイダイナミックレンジの頭字語で、明るい部分と暗い部分の両方を含むシーンを撮影できるようにするための計算写真技術である。スマートフォンに搭載されている小さなイメージセンサーでは、その撮影は特に難しい。Googleは、複数の低露光フレームを重ね合わせて1枚の写真にする、HDR+という手法を考案している。この手法は、空が白飛びする現象を軽減しつつ、より明るい1枚のフレームを追加することによって暗い領域を改善するというもの。一方で、フレームとフレームの間にシーンが変化する場合があり、それがゴーストなどのアーチファクトにつながるという問題がある。
スタッガードHDRは、複数のフレームをほぼ同時に撮影することによって、ゴーストの問題に対処できるよう設計されている。HDRでは通常、逐次的に撮影した異なる露光の写真を合成するが、スタッガードHDRでは、センサーは1つのフレームの終了を待たずに、次のフレームのためのデータ収集を開始する。例えば、センサーの下部のピクセルから明るいフレームのデータを取得しながら、上部から暗いフレームのデータを取得する場合がある。
サムスンの「ISOCELL GN1」だと報じられている「Pixel 7」のセンサーは、スタッガードHDRに対応していない。Wojciechowski氏によると、次期Pixelスマートフォンには、スタッガードHDRに対応するサムスンの「ISOCELL GN2」が採用される可能性があるという。GN2はピクセルサイズも大きく(GN1が1.2umであるのに対して1.4um)、色とダイナミックレンジも向上する可能性がある。
Pixelシリーズの売れ行きはそれほどでもないが、写真技術に関してはこれまでも最先端だったことが多い。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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