2023年にどのようなスマートフォンが登場するかはまだ分からない。しかし、Apple、Google、サムスンといった各企業は例年、ほぼ同じスケジュールで新製品を発表しているので、ある程度の予想はつく。
例えば、「iPhone 15」シリーズは9月に登場するとみられ、iPhoneで初めてUSB Type-C(USB-C)を搭載する可能性がある。また、サムスンも例年のリリースサイクルを踏襲するなら、「Galaxy S23」は2023年に入って最初に発表されるスマートフォンになるだろう。
2022年のスマートフォン業界は、さりげないながらも重要な進化を成し遂げた。例えば、「iPhone」は衛星経由の緊急SOSや車の衝突検知機能を搭載し、Googleは「Pixel 7」と「Pixel 7 Pro」において、自社製チップ「Tensor」のさらなる活用方法を見出した。一方、サムスンはフラッグシップモデル「Galaxy S」を刷新し、カメラをアップグレードした。
ここからは従来の発表スケジュール、うわさや報道に基づいて2023年に登場するであろう新型モデルを紹介する。
予想:AppleはiPhoneの新モデルを毎年9月に発売しており、2023年も同じパターンを踏襲するとみられている。USB-C充電端子の採用は、次世代iPhoneに期待されている大きな変化の1つだ。先日、欧州連合(EU)は2024年末までに欧州で販売されるすべての新型スマートフォンの充電規格を「USB-C」に統一することを義務化した。Appleはこのルールに従うとコメントしたが、USB-Cへの移行を2023年から始めると明言したわけではない。また、USB-C充電に対応したiPhoneが世界中で発売されるのか、それとも欧州限定のモデルとなるのかも確定していない。
充電規格を除けば、これまで通り、カメラやプロセッサーのアップグレードといった進化が期待できる。同社の新製品予測で知られるTF International Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuo氏は、「iPhone 15」では無印とProの差がさらに明確になるとみている。
この方向性は、すでに「iPhone 14」シリーズでも見られ、「Dynamic Island」や新しい「A16 Bionic」プロセッサーなどはProだけに搭載された。興味深いのは、iPhone 15では無印とProだけでなく、Pro MaxとProの間でも差別化が強化される可能性があることだと同氏は言う。これまでのiPhoneでは、ProとPro Maxの大きな違いは画面サイズだった。もしPro Maxにサイズ以外の特別な機能が加わるなら、このAppleで最も大きい(そして最も高額な)iPhoneを購入する理由ができる。さらにBloombergのMark Gurman記者は、Appleが「Apple Watch Ultra」などの製品に合わせて「iPhone Pro Max」を「iPhone Ultra」に名称変更する可能性があるとも考えている。
個人的な期待:USB-Cへの移行は長年待ち望まれてきたもので、次世代iPhoneの最大の売りと言っても過言ではない。実現すれば、iPhoneユーザーはついにiPhone、「iPad」、「Mac」を同じ種類の充電ケーブルで充電できるようになる。煩わしさが減り、iPhoneの利便性が格段に向上するはずだ。次のiPhone 15において、Pro MaxとProの差別化がどう強化されるのかも楽しみだ。筆者は以前から、このビッグなiPhoneにはiPad並みの大画面を活かした機能を持たせるべきだと考えてきた。
予想:うわさによると、サムスンの次世代スマートフォン「Galaxy S23」ではカメラとデザインが大きくアップグレードされるようだ。この2つは同社が長年力を入れてきた分野でもある。
Twitterで活動するリーカーのIce Universe氏によると、うわさされている「Galaxy S23 Ultra」には2億画素のメインカメラが搭載される可能性があるという。数字だけ見ると、「Galaxy S22 Ultra」の1億800万画素から大きく飛躍しているように見えるが、画質にはセンサーのサイズやスピードも重要な役割を果たすことを忘れてはならない。Ice Universe氏によると、新しい2億画素のセンサーはiPhone 14 Proよりはやや大きいが、Androidの上位モデルよりは小さいという。
また、Galaxy S23では無印とPlusのデザインに、Ultraモデルを思わせるデザインが採用されるようだ。定評のあるリーカー、Steve H.McFlyことSteve Hemmerstoffer氏が公開した画像を見ると、Galaxy S23の無印とPlusではカメラ部分の出っ張りがなくなり、代わりにGalaxy S22 Ultraと同じ、レンズが浮き上がったデザインとなっている。画像は、Hemmerstoffer氏とのパートナーシップにより、テクノロジーメディアDigitとSmartprixで公開されたものだ。
性能面では、具体的にどのような変化があるかは分からない。サムスンは通常、米国と一部の市場で発売するスマートフォンにはQualcommの最新モバイルチップを搭載していた。これは次世代のGalaxyスマートフォンには、「Snapdragon 8 Gen 2」が搭載される可能性が高いことを意味する。この新チップは、電力効率の向上、モバイルゲームの画質を向上させるレイトレーシング、Zoomの背景から人間を的確に捉える強力なAIなどを提供している。Kuo氏は、Galaxy S23ではサムスンが自社製プロセッサー「Exynos」を諦め、Qualcommプロセッサーに一本化する可能性もあると指摘している。
個人的な期待:スマートフォンのカメラはすでに非常に進化しているので、サムスンの2億画素のセンサーが実際に差別化要因になるかは分からない。いずれにせよ、近年GoogleのPixelシリーズとの競争が激化していることから、サムスンがGalaxy S23シリーズのカメラ体験をどう強化してくるかに注目したい。Galaxy S23の無印とPlusのデザインが、Ultraのデザインに近づくというわさは楽しみだ。レンダリング画像を見る限り、カメラ部分が張り出していたGalaxy S22と比べて、すっきりとした印象になっている。
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