本書を著した藤井保文氏は、「アフターデジタル」という概念の提唱者として知られている。アフターデジタルは、UX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)を軸にして、あるべきDX(デジタルトランスフォーメーション)のかたちを提案した概念だ。
一般的にデジタルを活用しようとする施策は、リアルを拡張するようなかたちで捉えられがちである。しかし情報技術のますますの発展はユーザーのあらゆる行動データを利用可能にし、デジタルが関与しない部分、オフラインな部分はなくなっていく。そうなれば、デジタルがリアルを包含し、デジタルを起点にリアルという場を考えることが重要になる――というのが、アフターデジタルの世界観である。ベストセラーとなった前著アフターデジタルの要約も参考にされたい。
本書が扱う「ジャーニーシフト」は、その先にある概念として提案されている。「Journey」は英語で「旅」を意味する。近い意味を持つ単語には「Trip」や「Travel」などがあるが、「Journey」という単語の特徴は、旅の過程に焦点が当てられている点にある。まさにユーザー体験を一貫して支援しようとするこの概念に、ふさわしい名前であると言える。
世界を見渡せば、情報技術の社会実装は我々が考える以上に急激に進んでいる。日本はかなり立ち遅れている感が否めない。デジタル後進国である現状を巻き返すためには、ジャーニーシフトに果断に取り組んでいかなくてはならないだろう。
今回ご紹介した「 ジャーニーシフト デジタル社会を生き抜く前提条件」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。
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