[ブックレビュー]デジタル後進国である日本の次なる取り組み--「ジャーニーシフト 」

フライヤー編集部2022年12月31日 08時00分
日経BP社
内容:「アフターデジタル」という概念の提唱者として知られる藤井保文氏の著書。日本がデジタル後進国である現状を巻き返すために必要となるジャーニーシフトとは。

 本書を著した藤井保文氏は、「アフターデジタル」という概念の提唱者として知られている。アフターデジタルは、UX(ユーザーエクスペリエンス、ユーザー体験)を軸にして、あるべきDX(デジタルトランスフォーメーション)のかたちを提案した概念だ。

 一般的にデジタルを活用しようとする施策は、リアルを拡張するようなかたちで捉えられがちである。しかし情報技術のますますの発展はユーザーのあらゆる行動データを利用可能にし、デジタルが関与しない部分、オフラインな部分はなくなっていく。そうなれば、デジタルがリアルを包含し、デジタルを起点にリアルという場を考えることが重要になる――というのが、アフターデジタルの世界観である。ベストセラーとなった前著アフターデジタルの要約も参考にされたい。

 本書が扱う「ジャーニーシフト」は、その先にある概念として提案されている。「Journey」は英語で「旅」を意味する。近い意味を持つ単語には「Trip」や「Travel」などがあるが、「Journey」という単語の特徴は、旅の過程に焦点が当てられている点にある。まさにユーザー体験を一貫して支援しようとするこの概念に、ふさわしい名前であると言える。

 世界を見渡せば、情報技術の社会実装は我々が考える以上に急激に進んでいる。日本はかなり立ち遅れている感が否めない。デジタル後進国である現状を巻き返すためには、ジャーニーシフトに果断に取り組んでいかなくてはならないだろう。

今回ご紹介した「 ジャーニーシフト デジタル社会を生き抜く前提条件」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。

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