ウクライナでの戦争やインフレ、株式市場の混乱があったものの、Googleの2022年は、他の多くのテクノロジー企業ほど悪くなかった。確かに、売り上げは低下し、雇用も鈍化したかもしれないが、少なくとも同社は、ライバルのテック企業を揺るがした激震に匹敵する体験はしなかった。
Googleでの雇用は、Twitterに比べれば、非常に安定しているように思える。Twitterでは、新たな所有者となったElon Musk氏が「Twitter 2.0」を築くために大改革を実施中だ。Facebookの親会社Metaは、仮想現実(VR)技術への危険な賭けの結果として、1万1000人の従業員解雇を発表。Netflixは人員を削減し、会員数の増加に必死に取り組んでいる。Eコマースだけを手がけるのではなく、広告への依存度をますます高めているAmazonは、何千人もの人員を削減する大規模なレイオフに着手したと報じられている。2022年の逆境を最もうまく乗り切ったAppleでさえ、「iPhone 14 Pro」モデルの在庫を維持するのに苦労している。
悲惨な2022年はGoogleにも打撃を与えたが、私たちの生活の隅々にまでデジタルテクノロジーを組み込むことを目指す、同社の「アンビエントコンピューティング」というビジョンの拡大が阻まれることはなかった。同社はインターネット検索トラフィックの92%を処理しており、「Google Chrome」はブラウザー市場で65%のシェアを獲得している。YouTubeの月間アクティブユーザー数は26億人で、Googleの「Android」ソフトウェアはモバイルOS市場で70%のシェアを得ている。
だからといって、順風満帆だったわけではない。Googleが市場で強大な影響力を持つようになったことで、規制当局の反発、テクノロジー分野の競合他社からの訴訟、従業員からの不満を招いた。それでも、同社は独自の野望を押し進め、「multisearch」(マルチ検索)、「YouTubeショート」、新しい「Pixel Watch」(市場を席巻する「Apple Watch」に対抗して開発されたGoogleのAndroidスマートウォッチ)などの製品やサービスを発表した。
10月に349.99ドル(3万9800円)で発売されたPixel Watchは、Androidファンに、フィットネスとコミュニケーションを追跡する、より優れた代替手段を提供する。Googleのスマートウォッチソフトウェアである「Wear OS」は、サムスンの2021年の「Galaxy Watch4」と2022年の「Galaxy Watch5」で採用されるまで低迷していた。しかし、Galaxy Watchの一部のヘルス機能は「Galaxy」スマートフォンでしか動作しないのに対し、Pixel Watchは最近のすべてのAndroidスマートフォンと連携する。
Apple Watchと競合するPixel Watchは、Googleがエコシステムという点でAppleに近づけるよう後押しするものだ。Googleは2022年、ハードウェアに大きな期待を寄せているようで、「Pixel 7」の発売に向けて、これまでで最も多い台数を発注したと報じられている。また、2023年には、別の重要なデバイスの発売を予定しているという。
2023年には、「Pixel Tablet」が登場するので、楽しみに待っておこう。Pixel Tabletは、タブレットとスマートホームハブの両方の役割を果たす製品で、「Google Home」として機能する。また、サムスンの折りたたみ式スマートフォン「Galaxy Z Fold4」と競合する「Pixel Fold」も登場する可能性がある。
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