グーグルの2022年を振り返る--他社よりはマシだったがさまざまな問題も - (page 3)

Imad Khan (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2022年12月12日 07時30分

 Googleの2021年の売上高は2570億ドル(約34兆4000億円)であり、数十億ドルの罰金など大したことではないように思える。規制当局は、同社の中核を成す検索エンジン事業に変更を求めることで、さらに大きな打撃を与えようとするかもしれない。

 Googleに対するパブリッシャーの不満に同情的なオーストラリアは、GoogleとMetaにコンテンツパブリッシャーへの支払いを義務づける法律を可決した。カナダも、2008年から2021年の間に450の報道機関が廃業したことと、誤った情報の拡散が増加したこと理由に、2022年初めに同様の法律を導入した。それを受けて、Googleはホームページを再設計し、ローカルなニュースがもっと目立つようにすることで、パブリッシャーを支援するようになった。

 他の一部のテクノロジー企業も、Googleの強大な影響力に不満を抱いている。「フォートナイト」開発元のEpic GamesがAndroidの「Google Play」ストアをめぐって提起した訴訟では、Googleが他社に金を支払って、競合するアプリストアを開設しないことを約束させていたことが明らかになった。Spotifyと、Tinderの親会社Match Groupは3月、Playストアの決済要件をめぐって、Googleを提訴した。Playストアでは現在、SpotifyとBumbleの2社が独自の決済システムを使用することが認められ、Googleに支払われる料金は大幅に減少したようだ。

従業員との争い

 「Googleの従業員」であることの役得は、2022年にいくらか色あせてしまった。従業員は、給与に加えて、無料の食事、仮眠室やジムを利用できるといった特典があるが、トイレのビデは必ずしも提供されない。従業員を対象とする年次調査「Googlegeist」では、自分の給与が他社の同等の役職と比べて高いと回答した従業員の数が12ポイント減少した。レイオフがまもなく実施される可能性もある。報道によると、同社は業績が下位6%の従業員を特定しており、それが約1万人の従業員を削減するための準備である可能性もあるという。

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提供:James Martin/CNET

 レイオフの可能性以外にも、トラブルはあった。Googleの教育製品部門のマーケティングマネージャーだったAriel Koren氏は、Googleがイスラエル政府に人工知能(AI)のツールを販売していると報道を受けて、声高に反対した。Koren氏によると、Googleは報復措置として、同氏に対し、ブラジルに移住するか、会社を辞めるか、どちらかを選べと突然告げたという。

 さらに、Googleは、同社がコンピューターチップの製作にAIを使用していることに疑問を呈したAI研究者を解雇した。アフリカ系米国人の従業員だったApril Curley氏は、「人種的に偏った企業文化」があるとして、Googleを訴えた。また、同社は、職場でのアクティビズムに対する報復として6人のエンジニアを解雇したとされていたが、彼らと和解に達した。

 2023年には、Googleは経済的な問題への対処を余儀なくされ、広告収入を得るのに苦労する可能性もある。だが、最高経営責任者(CEO)のSundar Pichai氏以下、すべての関係者は、ライバル企業の抱える問題の方がより深刻であるという事実に、いくらかの慰めを見出すことができるだろう。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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