Airbusは、燃料電池から得た電力を利用する航空機向け推進技術について、開発中のシステムを公開した(その1、その2)。
燃料電池は、燃料として供給される水素と空気中の酸素を反応させ、水の電気分解と反対の仕組みで電力を発生する。発電時には水しか排出しない。
Airbusの開発している推進システムは、燃料電池で発電した電力をモーターに供給し、プロペラを回して推進力を得る。飛行中に二酸化炭素(CO2)を排出しないため、風力発電や太陽光発電など再生可能エネルギー由来の電力で生産する「グリーン水素」を燃料に使えば、ゼロエミッション飛行機が実現できるという。
Airbusは、2035年までにゼロエミッション飛行機を実用化したいとしている。燃料電池による推進システムは、そうした航空機にとって有望な構成要素の一つだそうだ。目標とする技術レベルをクリアできれば、航続距離1000カイリ(約1852km)ほどの100人乗り燃料電池旅客機が実現可能と見込む。
今後、この推進システムを地上で試験し、2020年代半ばには「A380 MSN1」の改造機体で飛行試験を実施する計画。
開発中の推進システム(出典:Airbus/YouTube)
なお、Rolls-Royceは、水素を燃焼させて推進力を得る、水素ガスタービンによる航空機用エンジンを開発中。
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