航空機メーカーであるAirbusの子会社Airbus HAPS Connectivity Businessと、衛星運用ノウハウや通信技術を持つSpace Compassは、成層圏を飛行する高高度疑似衛星(High Altitude Pseudo-Satellite:HAPS)から、日本市場向けの4G/5Gモバイル通信サービスと地上観測サービスを提供すると発表した。両社は、契約締結に向けての合意書(LOI)に署名済み。
HAPSは、成層圏を飛ぶ飛行機や気球のこと。成層圏は通常の航空路より高度が高く、気象変化の影響を受けないため、一般の飛行機に比べ桁違いの長時間連続飛行が可能だ。地上インフラより高高度で、かつ人工衛星に準じる高度を飛ぶことにより、それぞれ補完する機能を提供できる。
Airbus HAPSは、無人航空機(UAV)による技術プラットフォーム「Zephyr」で、各種サービスを提供していく。Zephyrでは、ソーラー発電パネルから得た電力でプロペラを回して飛ぶ飛行機「Zephyr S」などを使用する。成層圏では、昼間は雲に遮られることなく確実に太陽光発電できるという。夜間は、バッテリーに充電した電力を使って飛行を続ける。
Airbusは、成層圏から地上への通信サービス提供について、実現性をNTTドコモと検証した。Airbusによると、世界各地のモバイル通信事業者や人工衛星サービス企業などが、Zephyrに対して興味を示しているそうだ。
Zephyrの紹介ビデオ(出典:Airbus/YouTube)
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