マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、家庭でのパーキンソン病患者の動きを電波で観察し、進行状況などを確認できる技術を開発した。
パーキンソン病は、神経細胞の変異により運動障害を起こす疾患。患者は、手や脚などが震えてしまう振戦(しんせん)やジスキネジア(ジスキネジー)と呼ばれる運動障害に悩まされることがある。
MITの研究チームは、無線LAN(Wi-Fi)ルーターほどの大きさで、Wi-Fiよりも弱い電波を発するデバイスを使い、家庭の室内や廊下で患者の動きを計測した。この動きデータから歩行速度などを算出でき、パーキンソン病の進行度合いを確認できたという。
検査対象者は同デバイスを設置するだけで、センサーなどを体に着ける必要もなく、普段どおり生活できる。継続的に365日24時間データを収集可能で、通院間の経過観察に使えるとしている。
研究内容の紹介ビデオ(出典:MIT/YouTube)
なお、MITの別の研究チームは、電波で検査対象者の動きを検知する同様のシステムを使い、睡眠時の呼吸パターンからパーキンソン病を患っているかどうか調べる技術を開発した。
ちなみに、いずれの研究も、パーキンソン病と診断された俳優であるMichael J. Fox氏の財団、The Michael J. Fox Foundation for Parkinson's Research(MJFF)などから資金援助を受けている。
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