「iPhone 14 Pro/Pro Max」レビュー--Dynamic Islandとメインカメラの画質が秀逸

Patrick Holland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年09月22日 08時00分

 Appleの最新スマートフォン「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」は、背面から見ると2021年発売の「iPhone 13 Pro」と変わらないように見えるが、だまされてはいけない。今回の見どころは、前面のディスプレイにあるのだ。2017年に登場した「iPhone X」以来、Face ID搭載iPhoneのトレードマークとなってきた画面上部のノッチが消滅し、代わりに最新の「TrueDepth」カメラシステムを格納した、薬のカプセルのような楕円形のエリアが登場した。ノッチよりも見栄えがいいと喜ぶ人もいるだろう。しかし今回のアップデート最大のポイントは、カメラのパンチホールの周囲にシステムアラートやバックグラウンドで進行しているアクティビティを表示できるようになったことにある。これは現在、筆者が最も気に入っている機能のひとつだ。

 この多彩な情報が浮かび上がるインターフェースを、Appleは「Dynamic Island」と呼ぶ。着信、再生中の曲の情報、タイマーの通知など、表示する情報に合わせて表示領域のサイズは変化する。Dynamic Islandという名前が最適かどうかはともかく、これがiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxに搭載された、最高の機能のひとつであることは間違いない。

 iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxには、他にも高性能なカメラ、高速なプロセッサー、常時表示ディスプレイ、「iOS 16」、衝突検知や衛星を利用した緊急SOSなどの新しい安全機能が搭載されている。

 価格は6.1インチのiPhone 14 Proが999ドル(日本では14万9800円)、6.7インチのiPhone 14 Pro Maxが1099ドル(16万4800円)だ。これは2019年発売の「iPhone 11 Pro」、「iPhone 11 Pro Max」と変わらない。筆者は実機をしばらく使ってみて、価格に見合う価値があると感じている。

最大の特徴はDynamic Island

 iPhone 14 Proの見た目は、過去のモデルとほとんど変わらない。数少ない違いのひとつが前述した画面上部のエリアだ。背面カメラは、旧モデルよりもやや出っ張りを感じる。

 iPhone 14 proの最大の特徴はDynamic Islandにある。使えば使うほど、この奇妙な名前のエリアの価値が分かってきた。Dynamic Islandはさまざまな場面で機能するが、その時にしていることから完全に意識をそらすことなく、最新の状況を手軽にチェックできる便利な機能だ。

iPhone14 Proの画面
Dynamic Islandはさまざまな動きや小さなアイコンを表示する。FaceTimeでの通話中は左側に緑色のカメラアイコンが表示される
提供:Celso Bulgatti/CNET

 Dynamic Islandはインタラクティブだ。音楽を聴いている時は、音の波形とアルバムのアートワークが小さく表示され、タップすると「Spotify」が再生中の曲を表示する。FaceTimeで通話している時は、長押しするとコントロール画面が起動する。

 タップするときは、TrueDepthカメラを直接タップしてもいいし、左右のエリアをタップしてもいい。そのせいでフロントカメラに汚れがたまったり、Face IDの感度が悪くなったりするといったトラブルは、少なくとも今回のテスト中は生じなかった。

 音楽を聴きながらタイマーをかけている場合など、バックグラウンドで複数のアクティビティが行われている時は、Dynamic Islandは2つに分割されて表示される。ちょうど小文字の「i」を横向きにしたような形だ。

 iPhone 14 ProとDynamic Islandは、強力なツールを楽しいインターフェースに組み込んで提供するAppleの真骨頂と言える。この機能がiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxでしか使えないのは残念だ。

iPhone 14 Proと14 Pro Max
iPhone 14 Proと14 Pro Maxは背面から見ると色以外に何が新しくなったのか分かりにくい
提供:James Martin/CNET

常時表示ディスプレイは便利

 iPhone 14 Proにインストールされている「iOS 16」には、ロック画面のカスタマイズ機能など、歓迎すべき新機能がいくつもある。その中でもiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxでしか利用できない機能が「常時表示ディスプレイ」だ。

 常時表示ディスプレイは、消費電力を抑えたロック画面だ。iPhoneのロック中も必要な情報をディスプレイに表示してくれる。

iPhone 14 Proの常時表示ディスプレイ
常時表示ディスプレイは魅力的な追加機能だ
提供:Celso Bulgatti/CNET

 表示されるのは時刻、日付、ウィジェット、各種通知などだ。また、ロック画面に設定している壁紙は明度を落として表示される。ロック画面の設定によっては、常時表示ディスプレイのオン・オフで見え方が大きく変わる場合がある。壁紙とウィジェットの組み合わせを考えながら、自分好みのロック画面を作るのは楽しい体験だった。Appleの常時表示ディスプレイのもうひとつの大きな特徴は、壁紙がカラーで表示されることだ。Androidスマートフォンの常時表示ディスプレイは時間や通知をモノクロで表示するものが多いので、これはAndroidとの大きな差別化ポイントと言える。

 テーブルに置いたiPhone 14 Proの画面がいつまでも点灯しているのは、なかなか慣れなかった。ついロックを忘れたと思ってしまう。ロック画面に表示された情報を確認したい場合は、画面をタップするか、ロックを解除するだけでいい。

 常時表示をオンにしている場合でも、iPhoneの画面を下に向けて置いたり、ポケットやバッグの中に入れたり、使用中のApple製デバイスの近くに置いたりすると画面は暗くなる。常時表示ディスプレイは「設定」画面で完全にオフにすることも可能だ。

 個人的には、常時表示される情報を減らせたらよかったと思う。例えば時刻と日付だけを表示するといった具合だ。黒い壁紙をロック画面に設定し、日付と時間だけを表示するようにすれば、かなりシンプルな常時表示ディスプレイを実現できるはずだ。常時表示ディスプレイをオンにしていると画面に次々と情報が表示されるので、目に入る場所にiPhoneを置いている時は集中できないと感じた。

 Dynamic Island、新しいロック画面、常時表示ディスプレイ――こうした新機能を総合して考えると、iPhone 14 Proはアラートや通知を最も手軽に管理できるiPhoneと言えそうだ。iOS 16に追加されたロック画面用の新機能「ライブアクティビティ」を本格的に使えるようになれば、体験はさらに向上するだろう(ライブアクティビティ機能を使うと、アプリの更新情報をロック画面に表示できるため、「Uber Eats」の配達状況やスポーツの試合のスコアなどをリアルタイムで確認できるようになる)。

14 Proの背面カメラレンズ
14 Proのカメラレンズがどれほど本体から飛び出ているかがお分かりいただけるだろう
提供:James Martin/CNET

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