iPhone 14 Proは3つの背面カメラを搭載している。メインの広角カメラ、超広角カメラ、3倍の光学ズームに対応した望遠カメラだ。メインカメラの焦点距離は、これまでの26mmから24mmになった。劇的な変化ではないが、より広い範囲をフレームに収められる。
メインカメラはセンサーサイズが大型化し、画素数が4800万に増えた。画素数が多いほど良い写真が撮れるというわけではないが、新しいセンサーは画素を4つのグループに分け、それらを1つにまとめて使うことで、1200万画素でもノイズの少ない鮮明な画質を実現している。
メインカメラの画質はすばらしい。スマートフォンのカメラとしては、画質もディテールも高い水準にある。最も改善されていると感じたのは、中・低照度での撮影だ。色の出方も質感もいい。下の写真は、霧に包まれた朝のサンフランシスコを撮影したものだ。建物のレンガの質感や、Salesforce Towerの上層階に向かって霧が次第に濃くなっていく様子に注目してほしい。
下の写真は、ヤシの木を木陰から見上げるように撮影したものだ。明るさを足しつつ、葉や樹皮の多彩な質感をしっかりと表現できている。
「Apple ProRAW」を設定すれば、4800万画素での撮影も可能だ。ただしファイルサイズが大きくなるので注意しよう。下の写真は、夕暮れ時のベイブリッジを4800万画素で撮影したものだ。編集後の写真はJPEG形式で保存されるため、ファイルサイズは大幅に小さくなる。自動車や橋の支柱のディテールに注目してほしい。
超広角カメラには、「Focus Pixels」(像面位相差AF)を強化した新センサーが搭載された。絞り値はf/2.2と旧モデルより低くなったが、鮮明な超広角写真を撮影できる。このセンサーと、Appleが「Photonic Engine」と呼ぶ最新の写真処理技術を組み合わせることで、理想的とはいえない環境でも良い写真を撮影できるようになった。
超広角カメラで撮影した写真や動画の画質は、メインカメラにはまだまだ及ばないが、改善があったことは歓迎したい。
マクロ撮影も強化された。メインカメラで被写体に近づくと自動的に超広角カメラに切り替わり、フレームを切り取ってマクロ撮影を行う。ピントが合わせやすくなり、小さな被写体を接写しやすくなった。
望遠カメラは、2021年に発売されたiPhone 13 Proの望遠カメラとほぼ同じだが、新機能のPhotonic Engineを使った画像処理により画質が向上した。超広角カメラと同様に、望遠カメラもメインカメラの画質には及ばないが、薄暗い場所での撮影などには重宝するだろう。
TrueDepthカメラ(フロントカメラ)はレンズがアップグレードされ、絞り値はより明るいf/1.9となった。また、フロントカメラが初めてオートフォーカスに対応し、複数人のセルフィーでも各自の顔にピントを合わせやすくなった。iPhone 14 Proと14 Pro Maxで撮影した写真を何枚か紹介していこう。
シネマティックモードは24fpsの4K撮影に対応した。さらに「アクションモード」という新しい動画手ぶれ補正機能が登場した。アクションモードをオンにして動画を撮影すると、被写体が中央で水平を保つように映像が切り出される。4Kで動画を撮影していても、アクションモードを使用すると解像度は2.8Kに落ちるが、補正効果ははっきりと感じられる。
今回はテスト用にアクションモードをオンにした場合とオフにした場合の動画を撮影してみたが、通常モードでもiPhoneの手ぶれ補正はかなり強力であることに改めて気付かされた。iPhone 14 Proと14 Pro Maxで撮影した動画を紹介した次の動画を見てほしい。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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