CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント関連も取材している佐藤が担当。今回は、9月3日と4日に愛知県の日本ガイシホールにて開催されたライブイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS LIKE4LIVE #cg_ootd」の模様をお届けする。
これは、バンダイナムコエンターテインメントがソーシャルゲームを基点として多方面に展開している「アイドルマスター シンデレラガールズ」をテーマに、同作に登場するアイドルの声を担当しているキャスト陣が出演するライブイベント。
これまでもさまざまな形でライブイベントを展開し、2021年10月から10周年ツアーも開催。2022年4月にツアーファイナル公演を迎えて半年足らずのタイミングで行われた今回のライブは、9月3日にスマートフォン向け「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(デレステ)のサービス7周年を迎えた記念も兼ねたものとなった。
ライブタイトルにある「ootd」は「Outfit of The day」(今日の服装の組み合わせ)を略したもので、SNSではコーディネート写真とともに「#ootd」のハッシュタグを付けて投稿されているという。また「LIKE4LIVE」は「いいねをしてくれたら、いいねを返す」という意味の「LIKE4LIKE」(Like for Like)にちなんだもの。こうしたことから「写真」「SNS」「ファッション」などをコンセプトとし、新曲やユニット曲のほか、こうしたコンセプトを感じさせる楽曲を中心に披露された。
本公演で両日ともに出演したのは、会沢紗弥さん(関裕美役)、五十嵐裕美さん(双葉杏役)、梅澤めぐさん(辻野あかり役)、大橋彩香さん(島村卯月役)、髙野麻美さん(宮本フレデリカ役)、中島由貴さん(乙倉悠貴役)、花谷麻妃さん(遊佐こずえ役)、青木志貴さん(二宮飛鳥役)、小市眞琴さん(結城晴役)、鈴木みのりさん(藤原肇役)、富田美憂さん(砂塚あきら役)、中澤ミナさん(佐城雪美役)、森下来奈さん(鷹富士茄子役)、金子有希さん(高森藍子役)、鈴木絵理さん(堀裕子役)、立花日菜さん(久川凪役)、花井美春さん(村上巴役)、深川芹亜さん(喜多日菜子役)、星希成奏さん(夢見りあむ役)。
加えて、DAY1(3日)には藤本彩花さん(棟方愛海役)、井上ほの花さん(浅利七海役)、高田憂希さん(依田芳乃役)、春瀬なつみさん(龍崎薫役)、DAY2(4日)には天野聡美さん(白菊ほたる役)、安齋由香里さん(西園寺琴歌役)、青木瑠璃子さん(多田李衣菜役)、集貝はなさん(的場梨沙役)も出演した。
会場内では新型コロナウイルスの影響と感染拡大防止、ならびに飛沫防止の観点から、公演中はマスク着用のうえでコールなどの声援は控える形となっており、集まった“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)は、キャストのパフォーマンスやトークに対して、拍手を送ったりコンサートライトを振って応えていた。あわせて、オンライン配信も実施し、国内外に向けてライブの模様を中継した。
アシスタントの千川ちひろによる挨拶と注意事項、おしゃれな街中がイメージできるステージセットでダンサーによるオープニングを経て、DAY1がスタート。その口火を切ったのは、デレステ7周年記念曲である「MOTTO!」(会沢さん、小市さん、立花さん、花井さん)。メンバーが着用しているのは7周年記念衣装「メイク・マイ・トレンド」で、いわゆる“ステージ衣装”のイメージよりもカジュアルな雰囲気で、ポップな楽曲にキュートな振り付けも相まって、ライブのコンセプトを伝えるようなステージとなっていた。
続いての「お散歩カメラ」(金子さん、髙野さん、花谷さん、鈴木絵理さん、春瀬さん)は、高森藍子のソロ曲を金子さんだけではなく5人で披露。曲の終わりにはダンサーも含めてステージ集まり、集合写真を撮る演出も見られた。
「Near to You」(藤本さん、井上さん、高田さん、深川さん)では、楽曲がもつさわやかさとそれぞれのアイドルが持つ個性や可愛らしさが現れたものに。それを経て、イントロが流れた段階でざわつきが起きていたのが「Radio Happy」(大橋さん、中島さん、青木志貴さん、富田さん、金子さん、鈴木絵理さん、星希さん)で、ライブのコンセプトにもマッチした、“イマドキのギャル”を感じさせる大槻唯のソロ曲を多人数でカバー。楽曲の新たな魅力を提示するステージとなっていた。さらにでストリートカルチャーをイメージさせるデレステMVも印象的な「リトルリドル」(梅澤さん、中澤さん、立花さん、花井さん、深川さん)では、軽快なラップも織り交ぜつつ歌っていた。
MCパートは、出演のキャストが前半と後半に分かれて登場。ステージではスナップショットのようなポーズを決めるシーンも。トークでは金子さんを進行役として、デレステ7周年のお祝いをはじめ、ライブのコンセプトや衣装などについて説明。そしてコンセプトにちなんだ企画コーナーとして、登場したメンバーが2チームに分かれて、ステージのセットを活用して“映え”な写真を撮影する「#cg_ootd映えコンテスト」を実施。DAY1では「キュートなアイドル!」をお題として撮影し、配信で視聴しているプロデューサーさんの投票によって、どちらが“映え”ているかを決めるもの。
チーム「もう映えてる」は、撮影を担当した青木志貴さんが“指ハート”のフレームを作り、そのなかに他のメンバーを映すという、一目で“映え”を感じさせる写真に。一方、中島さんが撮影を担当した「じゃんだらりん」は、客席のプロデューサーさんを背景に、一緒に映った写真でアピールするものの、「もう映えてる」が85%を得票するという圧勝劇となった。
ライブ再開後の「とんでいっちゃいたいの」(会沢さん、髙野さん、鈴木みのりさん、森下さん、金子さん)では、ステージ上の階段に腰掛けながら、落ち着いた雰囲気で暖かさを感じる歌声を響かせる。そして依田芳乃のソロ曲「日々あどべんちゃーなのでしてー」をライブ初披露。和風を感じさせる音色が織り交ぜられたポップな楽曲に、芳乃が持つ柔らかい雰囲気を醸し出しなから高田さんがパフォーマンスを行った。
キュートさ全開の「きゅん・きゅん・まっくす」(五十嵐さん、中島さん、藤本さん、立花さん、星希さん)を経て、辻野あかりのソロ曲「トキメキは赤くて甘い」(梅澤さん)の披露に。“山形生まれのりんごアイドル”である辻野あかりを示すような楽曲で、彼女にとって初めてのソロ曲。ライブ初披露というなかで感じさせる初々しさと、梅澤さんがステージで重ねてきた成長があかりとシンクロしているようにも思えるステージとなっていた。
「気持ちいいよね 一等賞!」(花谷さん、小市さん、中澤さん)では、小市さんがサッカー少女の結城晴をほうふつとさせるような、サッカーのユニフォーム姿で登場。さらに、応援役で花谷さんと中澤さんも含めて3人がポンポンを持ってパフォーマンス。オリジナルは姫川友紀のソロ曲で、野球をイメージした応援ソングとなっているなか、ところどころ“ハットトリック”などサッカーをモチーフにしたフレーズや演出を盛り込んでの披露に。小市さんによる晴としての力強い歌声に、花谷さんと中澤さんによる遊佐こずえと佐城雪美としての穏やかで柔らかい声援が混じる、新感覚ともいえるステージとなった。
関裕美のソロ曲である「ハンドメイドスマイル」(会沢さん)は、楽曲をライブ初公開。おシャレな曲調で、終始“裕美スマイル”を言えるような笑顔や時折見せるウインクなど、可愛らしさにあふれたステージを作り出していた。
「薄紅」(鈴木みのりさん、高田さん)では、小早川紗枝のソロ曲をユニット「山紫水明」がカバー。和の楽曲を和のユニットが披露する相性の良さと、鈴木みのりさんと高田さんがそれぞれ伸びやかに響く歌声が心の響くステージとなっていた。
ユニット「ららりる」による「まほうのまくら」(五十嵐さん、花谷さん)では、2人がステージセットの2階部分にある窓を開けて歌いだし、途中からステージでのパフォーマンスに。ところどころセリフも織り交ぜながら、どこか夢の世界を描いたミュージカルのようにも感じられる楽曲を歌い進めていった。
ユニット「夕星灯」の楽曲「ささのはに、うたかたに。」(鈴木みのりさん、中澤さん、森下さん)は、ユニットメンバー5人のうち3人によるパフォーマンスに。デレステMVでも印象的な夜空と笹の葉をほうふつとさせるような、暗いなかで薄く青や緑のライト、そしてスポットライトが彩ったステージ上で、和傘を手にして穏やかさと切なさを感じさせる歌声を響かせていた。
ここからの3曲は、今回出演していないアイドル(キャスト)のソロ曲カバーが連続して歌われた。一ノ瀬志希の「秘密のトワレ」(大橋さん、髙野さん、金子さん)では大人で魅惑の雰囲気、アナスタシアの「たくさん!」(会沢さん、梅澤さん、花谷さん、中澤さん)ではポップな曲調で歌われる日常感、赤城みりあの「Romantic Now」(井上さん、花井さん、春瀬さん、深川さん、星希さん)では元気いっぱいで弾けるステージをそれぞれ展開。それぞれがキャストとなっているアイドルの個性を出しつつ、複数人数での歌声と表現で、楽曲に新たな魅力と彩りを加えていた。
MCパート後半では、立花さんを進行役として、前半でも行われた「#cg_ootd映えコンテスト」で「キュートなアイドル!」をお題として実施。会沢さんが撮影を担当したチーム「ギョギョわきわきなのでしてー」は、ステージのお花を背景とした写真だったのに対し、春瀬さんが撮影を担当した「お写んぽ」は身長順に並んでの写真で、こちらは「ギョギョわきわきなのでしてー」が62%の票を獲得していた。
ここからは、鈴木絵理さんが“ユッコ(堀裕子)主催のナイトパーティ”の開催を宣言し、“パーティ”にちなんだ楽曲をショートバージョンで3曲連続披露。「Yes! Party Time!!」(会沢さん、藤本さん、鈴木みのりさん、富田さん、中澤さん、鈴木絵理さん、立花さん、深川さん、星希さん)、「ゴキゲンParty Night」(梅澤さん、中島さん、花谷さん、井上さん、小市さん、鈴木絵理さん、花井さん)と続けて、堀裕子のソロ曲「サイキック!ぱーりーないと☆」(鈴木絵理さん、大橋さん、五十嵐さん、髙野さん、青木志貴さん、森下さん、金子さん、高田さん、春瀬さん)も大所帯で披露し、賑やかなステージが展開された。
砂塚あきらのソロ曲「#HE4DSHOT」(富田さん)では、スタイリッシュなパフォーマンスで富田さんが決めるなか、コンサートライトを「#」の形で振るプロデューサーさんの姿も。「Max Beat」(青木志貴さん、小市さん、森下さん、花井さん)では、クールで疾走感あふれる楽曲を、力強さを感じさせる歌声を響かせる。そんなカッコよさが際立つ2曲から一転して、久川凪のソロ曲「14平米にスーベニア」(立花さん)では、マイペースな久川凪を可愛らしく表現しながら立花さんが歌う。曲の途中で手にしたスマホには、凪の双子の妹である久川颯のシールが貼られていたのも目を引いたところだった。
ここからはライブ初披露が続く。「ギョ―てん!しーわーるど!」(藤本さん、井上さん、春瀬さん)では、ユニット「まりんぱ」のうちの3人によるパフォーマンスで、お魚系アイドルの浅利七海をイメージするようなたくさんのお魚がモニターに映し出されるなか、3人が明るく元気いっぱいに躍動。また「ラビューダ♡トライアングル」(大橋さん、髙野さん、深川さん)では、ユニット「アミマネラ」3人が揃い、いたるところに“可愛らしい”を詰め込んだステージを展開した。
そしてソロやユニットパートの最後として披露されたのは、ソーシャルゲーム版やデレステでも「#ユニット名募集中」として登場した3人による新曲「UNIQU3 VOICES!!!」(梅澤さん、富田さん、星希さん)。シンデレラガールズ10周年記念アニメ「ETERNITY MEMORIES」でもわずかに流れたこの曲を初公開。それぞれがイメージされる曲調の変化や掛け合いもあるなど、3人の個性がぶつかりつつも不思議とまとまるような姿がイメージできる楽曲となっていた。
DAY1の出演者がステージに勢ぞろいしたところで、今後発売されるCD「jewelries!」シリーズの新曲となる「認めてくれなくたっていいよ」を初公開。個性を尊重するような歌詞と軽快な曲調で明るく歌っていた。
本編は一区切りとなり、アンコールを求める拍手が鳴り響くなか、モニターに登場したのは安部菜々。3Dモデルで動く菜々が場内を盛り上げたり、デレステ7周年をお祝いをしつつ、業務連絡と題した告知映像を紹介した。
今までとは異なる告知演出で会場を温めたあと、アンコールとして歌われたのは「Palette」(五十嵐さん、大橋さん、中島さん、藤本さん、青木志貴さん、井上さん、小市さん、鈴木みのりさん、富田さん、森下さん、鈴木絵理さん、高田さん、春瀬さん)。ユニット「ピンクチェックスクール」のキュートな楽曲を大人数でカバーし、明るく可愛らしい雰囲気に包み込む。衣装も、カスタマイズTシャツが作成できる「シンデレラガールズ公式カスタマイズグッズ~My Only One~」において、プロデューサーさんたちがデザインしたTシャツに、それぞれアレンジを加えた姿となっていた。
再度出演者が全員登場し、最後の曲として披露されたのは「Brand new!」。このあとの“いつもの挨拶”も、この日進行役だった金子さんと立花さんが先導して行うなど、いつもとは違う新たな一歩を感じさせる締めくくりで、DAY2へと繋げた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」