CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント関連も取材している佐藤が担当。今回は1月29日と30日に開催されたオンラインイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! Tropical Land」の模様をお届けする。
これは、バンダイナムコエンターテインメントがソーシャルゲームを基点として多方面に展開している「アイドルマスター シンデレラガールズ」をテーマとして、同作に登場するアイドルの声を担当しているキャスト陣が出演するライブイベント。2021年11月で10周年を迎えたことを記念したライブツアーが展開されている。
これまで福岡公演、千葉公演、愛知公演と行われ、このトロピカル公演は4会場目。当初沖縄で開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により現地での有観客開催を見合わせ、同規模の別会場を使用した無観客による有料生配信イベントとして実施された。アソビストアのオンラインステージ「ASOBISTAGE」を通じて配信が行われ、“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)のコメントなどで盛り上がっていた。
出演したのは、大坪由佳さん(三村かな子役)、津田美波さん(小日向美穂役)、中島由貴さん(乙倉悠貴役)さん、新田ひよりさん(道明寺歌鈴役)、上坂すみれさん(アナスタシア役)、河瀬茉希さん(桐生つかさ役)、鈴木みのりさん(藤原肇役)、原田彩楓さん(三船美優役)、原紗友里さん(本田未央役)、生田輝さん(ナターリア役)、金子有希さん(高森藍子役)、武田羅梨沙多胡さん(喜多見柚役)、田澤茉純さん(浜口あやめ役)、伊達朱里紗さん(難波笑美役)、のぐちゆりさん(及川雫役)、星希成奏さん(夢見りあむ役)、松田颯水さん(星輝子役)、杜野まこさん(姫川友紀役)、山下七海さん(大槻唯役)。両日とも約3時間半、26曲ずつが披露されたステージとなった。
1日目は全員そろっての「トロピカルガール」から開始。新衣装「トロピカルカーニバル」を着て歌い、ライブを盛り上げていた。
以降もソロ曲や複数人で歌唱する楽曲を次々と披露。トロピカル公演と銘打っていることもあり、“夏”や“海”などがイメージされる曲を中心に歌われた。また映像ではARを活用してコンサートライトが振られていたり、ステージ上にカメラが入ってキャストに接近した状態で映し出し、カメラアピールを行う場面もあるなど、オンラインライブならではの演出も見受けられた。
「銀のイルカと熱い風」(上坂さん、金子さん、武田さん、津田さん、中島さん、のぐちさん、原田さん、松田さん、山下さん)や「CoCo夏夏夏 Holiday」(大坪さん、田澤さん、伊達さん、星希さん)といった楽曲を元気いっぱいに歌い、序盤からさらなる盛り上げを図っていた。
のぐちさんはソロ曲「Milky Mode」をライブ初披露。雫は趣味が乳搾りやトラクターの運転というカウガールなアイドルで、そんな雫がイメージされるカントリー風楽曲を軽快かつ丁寧に、そしてひときわ思いを込めていることが伝わるように歌っていた。
大坪さんの「おかしな国のおかし屋さん」ではミュージカル風に歌い進めるなか、恒例のお菓子を食べるシーンで、今回はカメラが寄った状態で紫芋のタルトを味見。さらに曲終盤で登場する王子様は生田さんが担当していた。そのまま生田さんはマントを脱ぎ捨てステージに残り、合流した3人とサンバ風楽曲である「きみにいっぱい☆」(生田さん、中島さん、杜野さん、山下さん)を楽しく歌った。
トークパートでは、「忘れられないあの出来事」をテーマにさまざまなエピソードが語られた。なかでも、津田さんは7thライブ大阪公演におけるゲネプロで、マイクパフォーマンスを失敗してしまった際に、原さんが温かい表情で見ていたことを語っていたのだが、ステージにはいなかったはずの原さんがこっそり登場して、そのときの表情を再現。ステージ上のキャストを驚かせるとともに、視聴しているプロデューサーさんの笑いを誘っていた。
ほかにも、鈴木さんはあるイベントでシンデレラガールズのメンバーとして出演した際のトークで、美優のソロ曲「Last Kiss」が大好きであることを熱弁したら、原田さんが不在の場にもかかわらずトレンドワード入りしたことを振り返り、それ以降も鈴木さんが「Last Kiss」に関する話をするたびにトレンドワードとなるエピソードを語る。ちなみに1日目は、原田さんの「Last Kiss」歌唱がないにもかかわらず、このトークのあとでトレンド入りをしていた。
ライブパートに戻り、夏のハイテンションソング「サマカニ!!」(生田さん、大坪さん、河瀬さん、田澤さん、伊達さん、新田さん、原さん、星希さん、杜野さん)では、ARのカニが浮かびあがるなか、唯一のオリジナルメンバーである伊達さんがセンターに立ってパフォーマンス。松田さんの「毒茸伝説」では、ロック楽曲を熱唱するなかで、ステージ上のカメラに掴みかかるような演出もあって迫力満点なステージに。田澤さんによる田澤さんによる「Shinobi 4.0 忍者のすゝめ」では、曲中にある忍法影分身の術で、バックにあるLEDで分身をするという演出も。
「夏恋 -NATSU KOI-」(大坪さん、河瀬さん、新田さん、原田さん)ではアップテンポななかでも、恋心を表現するせつなさを感じさせるものに。鈴木さんによる「あらかねの器」は、壮大さを感じさせるバラード曲を、配信からでも伝わるほど卓越した歌唱力の持ち主と感じさせるように、伸びやかに歌声を響かせていた。
再度行われたトークパートでは「忘れられないライブの名場面」がテーマに。こちらも今だから言える話しや理性が飛ぶぐらいの楽しかったステージなど、さまざまなエピソードが語られた。なかでも大坪さんは、2013年に当時新宿駅東口駅前にあった新宿ステーションスクエアで行われた、シンデレラガールズ2周年記念イベントを挙げ、屋外でのステージだったことから行きかう人たちが注目していたことを話していた。加えて、当時シンデレラガールズのキャストではなかった伊達さんも、現地で見ていたことを明かしていた。
ライブも中盤となり、いかにも沖縄という音楽が耳に残る「いとしーさー♥」(鈴木さん、武田さん、津田さん、中島さん、松田さん)では、ARの海と砂浜が広がるなかで、楽曲の世界観を表現していた。
「ほほえみDiary」(金子さん、新田さん)では、ユニット「インディゴ・ベル」の2人がそろってパフォーマンス。アップテンポな曲でも、2人が持つ“ふわふわ感”が伝わるステージに。津田さんの「空と風と恋のワルツ」では、美穂が持つ可愛らしさといじらしさが全開という雰囲気を作りだし、また曲中にある「だめ…」は「だめさー」と沖縄らしさを含めるように言い換えていた。
バラード曲「この空の下」(上坂さん、河瀬さん、鈴木さん、原田さん)では、夜の星空がイメージできる背景に、クールメンバーの4人が歌声を響かせ、物思いにふけるような夏の夜を表現。武田さんの「思い出じゃない今日を」では、柚が持つ明るく元気な歌声が響き渡るなかでも、曲調と語りかけるように歌う姿が、どこか涙腺を刺激するようなステージとなっていた。そして「冬空プレシャス」(伊達さん、杜野さん)はウインターソングながらも、みんなで楽しむ大切な夜を伝えるように明るく歌っていた。
ここまで歌われた楽曲に関するトークを経て、ライブは終盤に。「レッド・ソール」(河瀬さん、鈴木さん、原田さん、松田さん)では、ユニット「フラム・マティーニ」4人そろってのライブ披露が実現。大人の雰囲気を存分に醸し出すジャズナンバーを、情熱的かつ艶めかしさを感じさせるような歌声で、視聴しているプロデューサーさんたちを魅了していた。
山下さんの「サニードロップ」では、軽快なダンスでポップに歌うなかでも、時折見せるかわいらしいしぐさやウインク、曲中のセリフ「ここだよダーリン」など、唯が持つアイドル力の高さを体現。そして、この日の大きなサプライズで、コメントでも騒然となるぐらいに盛り上がっていたのは、この場でいきなり初公開された、生田さんによるナターリアのソロ曲「ソウソウ」。南国感あふれるサンバソングをノリノリでパフォーマンス。太陽のように輝く姿をプロデューサーさんに披露していた。
さらに「Sun!High!Gold!」(上坂さん、原さん、星希さん、山下さん)で、太陽のような明るいステージを、「パ・リ・ラ」(生田さん、武田さん、田澤さん、のぐちさん)で、ラテンのリズムで軽快なステージを、「情熱ファンファンファーレ」(金子さん、伊達さん、原さん、星希さん)で、テンションを上げていくステージをそれぞれに披露。そして、全員そろっての「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(デレステ)5周年記念曲でもある「Go Just Go!」と、トロピカル公演らしい楽曲で終盤でも盛り上がっていた。
アンコールを求めるコメントや、これまでも上映されてきた、これまでのライブを振り返るダイジェスト映像、各種告知を経て、キャスト陣が再登場。「シンデレラ・コレクション」をまとって、10周年記念曲である「EVERLASTING」を披露。終盤の挨拶は2日間に分かれる形で、個々に感想を語っていった。そして最後はシンデレラガールズ始まりの曲でもある「お願い!シンデレラ」。会場がARの星や馬車、コンサートライトで彩られるなか、中盤で自由に動き回る演出はなく、フルに振り付けで歌うという配信ならではステージで締めくくり、2日目へと繋げていった。
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