CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント関連も取材している佐藤が担当。今回は12月25日と26日に、愛知県にあるAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)にて開催されたイベント「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! CosmoStar Land」の模様をお届けする。
これは、バンダイナムコエンターテインメントがソーシャルゲームを基点として多方面に展開している「アイドルマスター シンデレラガールズ」をテーマとして、同作に登場するアイドルの声を担当しているキャスト陣が出演するライブイベント。11月で10周年を迎えたことを記念し、福岡、千葉、愛知、沖縄の4カ所をめぐるライブツアーとなっている。当初愛知公演はツアーの皮切りとして、9月に開催予定となっていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況により延期。その間、福岡公演と千葉公演が行われ、愛知公演は3会場目となった。
出演したのは、藍原ことみさん(一ノ瀬志希役)、天野聡美さん(白菊ほたる役)、大空直美さん(緒方智絵里役)、金子真由美さん(藤本里奈役)、関口理咲さん(白雪千夜役)、福原綾香さん(渋谷凛役)、青木志貴さん(二宮飛鳥役)、飯田友子さん(速水奏役)、洲崎綾さん(新田美波役)、田辺留依さん(荒木比奈役)、千菅春香さん(松永涼役)、富田美憂さん (砂塚あきら役)(※2日目のみ出演)、中澤ミナさん(佐城雪美役)、村中知さん(大和亜季役)、ルゥティンさん(塩見周子役)、赤﨑千夏さん(日野茜役)、鈴木絵理さん(堀裕子役)、集貝はなさん(的場梨沙役)、長野佑紀さん(小関麗奈役)、原優子さん(向井拓海役)、山本希望さん(城ヶ崎莉嘉役)。また1日目には、ゲストとして木村珠莉さん(相葉夕美役)も参加。両日ともに公演は3時間を超え、2日間でのべ53曲が披露されるステージとなった。
場内では新型コロナウイルスの影響と感染拡大防止、ならびに飛沫防止の観点から公演中の発声をともなう歓声やコールは控える形となっていたが、集まった“プロデューサーさん”(※アイドルマスターシリーズのファンのこと)は、キャストからの問いかけやパフォーマンスに対して、拍手を送ったりコンサートライトを振って応えていた。また、アソビストア内「ASOBISTAGE」によるオンライン中継もあわせて実施。そこで投稿されたコメントが、トークパートではセットのスクリーンに映し出される連動要素も導入されていた。
1日目の1曲目は、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」の6周年記念曲でもある「星環世界」。同曲にあわせて実装され、あわせて公開されたアニメPVでもアイドルが着ていた、宇宙服をイメージさせる衣装「アド・アストラ」を、キャスト陣も着て登場。ここでは初のフルバージョンでの披露となり、クールで疾走感がありさらにラップも織り交ぜられた楽曲で、愛知公演の幕を切った。
歌い終わったあとの挨拶では、この日が12月25日ということで、メンバーから「メリークリスマス!」の言葉が送られたり、洲崎さんの誕生日ということもあり、プロデューサーさんからお祝いの拍手が送られていた。
このあとも、「無重力シャトル」(赤﨑さん、大空さん、金子さん、洲崎さん、鈴木さん、田辺さん、長野さん、原さん、村中さん、山本さん)を皮切りとして、ソロ曲や複数人数による共通曲、ユニット曲などが披露。「BEYOND THE STARLIGHT」(天野さん、鈴木さん、中澤さん、長野さん、山本さん)や「空想探査計画」(赤﨑さん、大空さん、鈴木さん、村中さん、山本さん)、「さよならアンドロメダ」(天野さん、福原さん、村中さん、ルゥティンさん)のような、CosmoStarからイメージされる“宇宙”や“星”を感じさせる楽曲なども歌われた。
そして「君のステージ衣装、本当は…」(飯田さん、関口さん、田辺さん、集貝さん、中澤さん)では、オリジナルメンバーがそろってのステージが実現。速いテンポながら切なさを誘う楽曲を、ソロパートや5人での歌唱を織り交ぜながら歌声を響かせていた。
トークパートでは、シンデレラガールズ10周年を振り返る思い出話しが中心となって展開。前半における「忘れられないあの出来事」では、かつてのライブや、その舞台裏での出来事などが語られていった。また福原さんは、初期のソーシャルゲーム版CMのなかで渋谷凛の声が初めて流れたことに触れ、その反響の大きさを振り返る。ほかにも、木村さんが「シンデレラガールズ劇場」において、相葉夕美が劇中劇のなかで主人公を演じたことと、その主題歌「Dreaming Star」を、ゲーム内では相葉夕美とユニットを組む西園寺琴歌を演じる安齋由香里さんが、先日の千葉公演で歌ってくれたことの喜びを語っていた。
後半での「忘れられないライブの名場面」でも、さまざまなエピソードが飛び出す。金子さんは、7thライブツアー千葉公演において、ユニット「セクシーギャルズ」による新曲「Gossip Club」をサプライズで披露したときのどよめきと歓声の大きさに触れ、飯田さんも4thライブさいたまスーパーアリーナ公演において、輿水幸子役の竹達彩奈さんがサプライズで登場した際の、会場が割れるかのような歓声が起きたことを振り返る。また関口さんは、7thライブツアー大阪公演で歌ったユニット「VelvetRose」として歌った「Fascinate」で、コンサートライトが一面に広がった光景が大切な思い出と話していた。また鈴木さんは、自身が本田未央のプロデューサーであることを踏まえ、3rdライブで本田未央役の原紗友里さんと2人で待機している際に、出番直前のタイミングでそのことを伝えると、原さんが困惑してしまったというエピソードを語っていた。
ほかにも集貝さんは、2ndライブの映像商品をクリスマスプレゼントとして母から買ってもらった思い出などを語っていたほか、長野さんは配信番組におけるARライブステージでの「ヒーローヴァーサスレイナンジョー」で、ARを活用して必殺技を打つシーンができたことが記憶に残っていると振り返っていた。
中盤では福岡公演にもあった、「キュート」「クール」「パッション」の各属性にフィーチャーし、その属性を持つメンバーが登場し歌唱するコーナーも。キュートでは「アタシポンコツアンドロイド」を天野さん、大空さん、関口さんが歌う。天野さんと大空さんが明るく歌う一方で、関口さんが千夜をほうふつとさせるような、表情をほとんど変えず低音を響かせる“アンドロイド”感がある歌い方が交じり合い、楽曲の新しい一面をのぞかせていた。
またクールでは「Nation Blue」を青木さん、飯田さん、洲崎さん、中澤さんが披露。凛々しさやクールさを感じる青木さん、飯田さん、洲崎さんの歌声に、中澤さんが雪美として歌うときの優しさを感じる歌声が交じり合い、こちらも新たな一面を感じるステージに。そしてパッションでは赤﨑さん、集貝さん、長野さんが「Orange Sapphire」を歌う。会場がオレンジ色のコンサートライトで染まるなかで明るく元気に歌い、さらなる盛り上げに一役を買っていた。
ソロ曲のなかでは、木村さんが夕美のソロ曲「花のことば」を披露。木村さんは福岡公演の出演者だが、2日目は体調不良で出演が見送られた。そのときにおそらく歌うはずだったと思われる楽曲を、ここで披露する形になった。このときの木村さんの衣装は福岡公演の「ピクシー・ケープ」で、ダンサーの衣装も福岡公演のときのもの。まさに忘れ物を届けにきたかのようなステージとなっていた。そしてリリースしてから3年越しにライブで歌うことができた楽曲を、花が咲き誇るLEDを背景に木村さんが歌声を響かせていた。
また、田辺さんは比奈のソロ曲「泡沫のアイオーン」をライブ初披露。疾走感あふれる楽曲のなかでハイトーンと力強さを感じる歌声を響かせ、間奏でのダンスや曲終わりの決め顔も含めて、比奈のなかで秘めていたカッコよさに全振りしたパフォーマンスで魅了した。
終盤で披露された「EVIL LIVE」(金子さん、集貝さん、長野さん、原さん)では、それぞれが釘バットや鉄パイプのように見える小道具を手にして登場し、ヘヴィメタル楽曲を歌い、独特な世界観を伝えるとともに強烈なインパクトを残していた。
続いての「Drastic Melody」(関口さん、千菅さん、福原さん)は、ユニット「Sirius Chord」がそろって披露。歌の実力派と感じさせる3人の熱唱で、魅了を通り越して圧倒するかのようなステージとなっていた。
そして全員そろっての「Stage Bye Stage」で一旦締めくくり。アンコールを求める拍手に応えて、10周年を記念した特別映像を上映。「EVERMORE」にのせて、これまで行われたライブにおけるキャスト陣ひとりひとりのパフォーマンスをダイジェスト映像で、これまでの公演でも披露されていたが、ここでは千葉公演で大型ライブ初出演となったキャストが加えられたバージョンとなっており、その場面では拍手が沸き起こっていた。
そして衣装「シンデレラ・コレクション」をまとって全員が再登場し、10周年記念曲「EVERLASTING」を披露。終わりの挨拶として延期しながらも公演が行われたことや、クリスマスに行われたこと、有観客でプロデューサーさんの前で歌えたことといった、感謝の言葉が次々に語られていった。そして最後は、シンデレラガールズ始まりの曲である「お願い!シンデレラ」で締めくくり、2日目へと繋げていった。
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