しかし、書簡に書き連ねられたMusk氏の主張は説得力がない、と指摘する法律専門家もいる。
例えばTwitterの決算発表のプレスリリースには、偽アカウントやスパムアカウントの数は推定で、「正確ではない」可能性があり、その数はもっと多いかもしれないと書かれているため、同社が誤った情報を提供したと証明するのはかなり難しい。実際、Twitterも、先に触れた7月10日付の書簡で同社は合意条項に違反していないとしている。
テュレーン大学ロースクール研究科副学部長のAnn Lipton氏は、企業の買収は「トースターを買うこととは違う」と指摘する。トースターなら、「買ったその日に自宅に持ち帰る」ことも可能だ。しかし企業買収は何カ月にも及ぶプロセスであり、規制当局への届出はもちろん、最終的には株主の承認も必要になる。また、企業は経済状況が変化する可能性を踏まえて、弁護士と合併契約を作成するものだとLipton氏は言う。
「合併契約の作成者は、将来の状況は変わる可能性があることを理解しているので、契約書をきっちり作る。相手方の当事者が途中で取引を放棄し、立ち去ることができないようにするためだ」と、Lipton氏は言う。「もちろん、Twitterもこれを実践した」
Twitterの共同創業者Ev Williams氏は先ごろ、もし自分が今もTwitterの役員なら、「この茶番が立ち消えになるのを待とう」と提案していただろうとツイートした。しかし法律専門家によれば、それはあり得ない。
I'm sure there are legal/fiduciary reasons you have to say that, Bret. But if I was still on the board, I'd be asking if we can just let this whole ugly episode blow over. Hopefully that's the plan and this is ceremony.
— Ev (@ev) July 9, 2022
「Twitterは株主に対して信認義務を負っている」とLipton氏は言う。「面倒だから何もしない」わけにはいかないのだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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