「ラブライブ!サンシャイン!!」Aqours 6thライブ追加公演で見た“約束の東京ドームに帰って来た姿” - (page 4)

 このあとトークを挟んで歌われたのは「キセキヒカル」。浦の星交響楽団の演奏を受けながら、情感を込めて歌う。そしてDay.2における「オーケストラ生演奏楽曲リクエスト投票」によって選出された楽曲として、TVアニメ1期第11話の挿入歌である「想いよひとつになれ」を披露。オリジナルは8人だが、逢田さんも加わった9人バージョンでのステージとなり、ひときわ大きい拍手に包まれていた。続いての「smile smile ship Start!」で一区切りし降壇した。

 アンコールを求める拍手と「きょうのAqours」の上映を経て、「君のこころは輝いてるかい?」を披露した後、Day.2ではAqoursの今後の展開についての告知も行われた。なかでも、イラスト連載企画からスタートした「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」(※「幻日」の読み方は「げんじつ」)のシリーズアニメ制作が発表されると、どよめきとともに拍手が巻き起こり、同作のヨハネ役を務める小林さんも涙ながらに喜びと感謝を伝えていた。

 ひとりずつライブを振り返る挨拶をするなかで、小林さんは9人で動き出す物語がまた始められることの嬉しさを語れば、鈴木さんは苦しい状況が続いていたなかでも夢の東京ドームに再び立てたこと、そして「今こうしてAqoursは“18人”で立ってます」と、感謝の言葉を伝えていた。

 降幡さんは「君のこころは輝いてるかい?」の歌詞に触れ、少しずつ未来が変わってきていることを感じているとしつつ、「みなさんの声が聴けるまで、ライブは止めませんからね!」と宣言するかのように声を挙げていた。小宮さんは、言葉を口にすれば叶う、諦め蹴れば叶うことを実感したライブと振り返り、「この9人で一緒に前を向いて進み続ければもっと夢が叶う」と話し、また東京ドームに帰ってくることを約束した。

 高槻さんはいつも新しいことに挑戦させてもらえていることや、やりたいことを言ったらみんなの力で叶えてくれていることがとても幸せと感謝しつつ、まだまだAqoursとしての時間を過ごしていきたいと語り「みんなもAqoursの10人目として、これからもAqoursの時間を楽しんでほしい」と伝えていた。諏訪さんは、9人誰も欠けることなく東京ドームに戻ってきたことの喜びを語り、「これからも新しい歴史を刻んでいきたいと思います」と、今後に向けた意気込みを話した。

 逢田さんは、この日「想いよひとつになれ」を歌えたのは、みなさんが投票してくれたからおかげとお礼をしつつ、「梨子ちゃんにとっても、私にとっても大きい存在の楽曲で、背中を押してくれる大好きな曲なので、9人で歌うことができてすごく嬉しかったです」と語っていた。斉藤さんは2度目の東京ドームでプレッシャーを感じていたことや、より成長した姿を見せたいと意気込んでいたことを口にし、これからもみんなといろんな物語を作っていきたいと語っていた。

 伊波さんは客席を指さし、おそらくμ’sの東京ドームライブのことを示唆していると思われる“憧れのステージ”を見たことを、9人で初めて作った思い出として触れつつ、2度目の東京ドームに立つことの責任とプレッシャーをそれぞれが抱えながら、最高のパフォーマンスをするために、伊波さん自身は千歌と、そしてメンバーひとりひとりが二人三脚で歩んできて発揮できたと語る。そして「OKAWARI Happy life!」にちなみ「ハッピーと思える1日1日を、みなさんひとりひとりの日常のなかでおかわりしていけるように、Aqoursとしての歩みを作っていきたい」と話していた。

 9人が場内に散らばって「みんなー!大好きー!」と叫んだ後、「SUKI for you, DREAM for you!」を明るく元気に歌い、ステージを後にした。ここで終演かと思われたが、鳴りやまない拍手を受けて再び9人がステージに登場。目を潤ませるメンバーも少なくないなかで、ダブルアンコール曲として歌ったのは「なんどだって約束!」。トロッコに乗り込んで、歌声を通じて感謝を届けていた。涙と笑顔が混じった状態でメインステージに戻り終演というところで、伊波さんから改めて感謝を伝えつつ「何度も約束できるようなAqoursでいられるように頑張ります。みなさん信じてくれますか?」と問いかけると、その答えとして会場中からの拍手が巻き起こる。それを受けて「その約束に恥じないようなAqoursであり続けます!」と誓うように声を挙げて締めくくった。

 4thライブでは、初めての東京ドームでもホーム会場という思えるほどの雰囲気と感じていたが、今回はむしろ、東京ドームのステージに立つことは特別なものと感じられたのが率直な感想としてある。新型コロナの流行により有観客ライブが行えない時期が長かったこともあると思われるが、このステージにかけたAqoursの思いと、声は出せなくても一面に広がるコンサートライトとともに、割れんばかりの拍手で応えた“10人目”であるファンの思いも含めて伝わるもので、それこそが2度目の東京ドームを実現させたと実感できるものとなっていた。また、4thライブのときは“航海の通過点”とも表現していたのだが、今後の展開の発表もあり、まだまだAqoursはこれからであると、ここもまた航海の通過点と思えたところだ。

 また余談ではあるが筆者としても個人的に印象に残った場面はあり、まず1stライブのDay.2公演と4thライブを見ていたこともあるがゆえ、「想いよひとつになれ」の披露と、サクラピンクのコンサートライトで染まる光景は感慨深くなるところがあった。

 そして、筆者お気に入りのAqoursメンバーが国木田花丸であることを踏まえると2つ触れておきたいところがある。まずは「未体験HORIZON」が歌われたこと。Aqoursの4thシングルであり、花丸のセンター曲となっている。未来に向けて進んでいくことを表す楽曲を、花丸を示すような頭の上で丸を作ったり、アニメPVでも象徴的な蝶が舞うような振り付けをしながらパフォーマンスを行った。

「未体験HORIZON」
「未体験HORIZON」

 ライブでの披露は「ラブライブ!フェス」でも行われているのだが、Aqoursの単独ライブとしては初めてであり、何より東京ドームで歌うというところに特別なものを感じるところがある。それは、4thライブでの挨拶で高槻さんが、“夢は声に出していく”として「国木田花丸ちゃんと一緒に、Aqoursのセンターで歌います!」と言った場所であるからだ。国内有数の大規模会場である東京ドームで、一面に広がった花丸のイメージカラーである黄色に染まった会場のなかで、浦の星交響楽団による生演奏も加わった形で、花丸と高槻さんが中心となって歌い、無数とも言える蝶の紙吹雪が舞う光景は、明るくアップテンポな曲にも関わらず、涙腺を刺激するには十分なものとなっていた。

 ちなみに、Day.1終盤の「SUKI for you, DREAM for you!」のときに、高槻さんが通路にまだ残っていた蝶の紙吹雪を拾い、口で吹いて飛ばそうとしていた様子も微笑ましかったことは付記しておきたい。

 もうひとつは、花丸のソロ曲である「やあ!行雲流水!?」。2022年の3月4日(花丸の誕生日)に発売された「LoveLive! Sunshine!! Second Solo Concert Album~THE STORY OF FEATHER~starring Kunikida Hanamaru」の新規楽曲として収録されているもので、ライブ初披露となった。

高槻かなこさん(国木田花丸役)
高槻かなこさん(国木田花丸役)

 前述のように、高槻さんはアコースティックギターを手に、自ら演奏する形で歌唱。スクリーンには、一面に広がる青空が映し出され、本当に空があるようにも感じられるほど。その空の下で、スタンドマイクを前に時折コードを抑えている手に目を向けながら、終始穏やかな表情で温かい歌声を響かせていた。

 このときのステージで驚いたのは、ギター演奏もさることながら、あくまで筆者が見た範囲ではあるのだが、花丸がギターを弾いているようなシーンや描写を見たことがなく、それでもすんなりと花丸が演奏して歌っているように感じられたこと。花丸が自ら弾き語りをする、高槻さんと寄り添うようにギターを弾く、さらに青空なので麦わら帽子も似合いそう……とまでくると妄想が過ぎるところもあるのだが、ギターを手にした花丸がピッタリくるぐらいにイメージできるようになっていた。楽曲の世界観を表現する以上の、花丸が持つ可能性をも広げるステージであり、それは7年にわたって花丸と歩んできた高槻さんだからこそできたことでもあると感じられた次第だ。

 今後の展開についても発表された。前述のように、「ラブライブ!サンシャイン!!」公式スピンオフプロジェクトとして、「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」のシリーズアニメ制作が決定し、2023年展開予定。ヨハネを中心に、おなじみのキャラクターによる不思議な世界における日常を描いた全く新しい物語としている。発表にあわせて公式サイトやティザーPV、ティザーイラストを公開した。

「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」ティザーイラスト
「幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-」ティザーイラスト

 また、Aqours EXTRAライブの開催を告知。2023年2月11日と12日に武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナ、2023年3月11日と12日に幕張メッセイベントホールにてそれぞれ開催する。

 このほか、8月11日、13日、14日にキラメッセぬまづにて開催される「ラブライブ!サンシャイン!!沼津地元愛まつり」のキービジュアルを公開。また、6thライブで披露されたAqours楽曲のバンドアレンジ6曲に加え、新規に4曲のリアレンジを追加した計10曲を収録予定の、リアレンジアルバム「The Blue Swell」を、2023年2月15日に発売。そして6thライブにおける2会場分のBlu-ray Memorial BOX発売を告知。<OCEAN STAGE>を2022年11月2日、<SUNNY STAGE>を12月14日にそれぞれ発売する。

「ラブライブ!サンシャイン!!沼津地元愛まつり」のキービジュアル
「ラブライブ!サンシャイン!!沼津地元愛まつり」のキービジュアル

(C)2017 プロジェクトラブライブ!サンシャイン!!
(C)PROJECT YOHANE

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