Googleはニュースアグリゲーターサービス「Googleニュース」のデザインを刷新し、ローカルニュースがより目立つ構成に変更した。これは同社が米国時間6月22日に発表した、質の高い情報提供に関する新たな取り組みの一環だ。
新デザインでは、ローカルニュースを地域ごとに表示するカラムが画面右側に設けられると、Googleは同サービスの開始20周年を伝えるブログ投稿で明かした。ユーザーはニュースが見たい特定の地域を選ぶことができるほか、訪問者向けに自動でおすすめの地域が表示されることもある。
Googleによれば、地域の提案には「Googleマップ」で設定したユーザーの自宅や勤務先の住所や、IPアドレスやデバイス設定から取得された位置情報が使われるという。
ニュース部門の製品管理担当バイスプレジデントを務めるBrad Bender氏によると、ローカルニュースの検索は、この5年間で3倍に増え、新型コロナウイルスのパンデミックの最中にピークに達したという。
今回のデザイン刷新は、地域ジャーナリズムに損害を与え、広告費を食いつぶしているとする批判が、GoogleやFacebookなどの大手インターネット企業に対して高まっている中で実施される。ニュース配信の手段がオンラインに移行する中で、多くの報道機関はGoogleの検索サービスに頼り、トラフィックを自社サイトに誘導していた。このように報道機関はある程度Googleに頼らざるを得ない状況にあったが、同社は仕様の変更内容や、変更の理由について、常に透明性を保っていたとは言えなかった。
Googleなどの超大手ウェブ企業は世界中で、ニュースを提供する報道機関に対し、サイトに表示される記事の対価を支払うよう義務づける、法律制定の動きにも直面している。オーストラリアは2022年2月に、掲載したコンテンツの掲載料をパブリッシャーに支払うよう、GoogleやFacebookなどの大手IT企業に義務づける法律を可決した。その2カ月後にはカナダも、同様の法律を導入し、2008年から2021年にかけて450の報道機関が廃業し、不信感が高まり、デマがはびこる事態を招いたのは現在のデジタルエコシステムだと批判した。
今回のデザイン刷新では、Googleなどの企業が偽情報を拡散しているという批判の声に応えようとしている。デスクトップ版のGoogleニュースでは、「ファクトチェック」セクションが拡大され、より多くの背景情報を読者に提供しようとしている。このセクションには、独立機関によるファクトチェック評価が表示される。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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