テクノロジー大手Amazon、Apple、Googleの最高経営責任者(CEO)がそれぞれ米議員らに対し、各社の事業慣行を変える可能性のある反トラスト法案に反対するよう自ら働きかけているという。複数のメディアが報じた。
米政治ニュースサイトPoliticoは米国時間6月17日、AmazonのCEOであるAndy Jassy氏が上院議員らに対し、「American Innovation and Choice Online Act」(米国のイノベーションと選択のためのオンライン法)に反対するよう直接働きかけていると、匿名の情報筋の話として報じた。この超党派の法案は、Amy Klobuchar氏(民主党、ミネソタ州選出)とChuck Grassley氏(共和党、アイオワ州選出)の両上院議員が共同で提出した。Amazonの広報担当者はJassy氏について、「当社の顧客に影響する可能性のある政策課題について、両党の議員と協議している」と述べた。ただし、同社からそれ以上コメントは得られなかった。
GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は、近日中に米連邦議会を直接訪問して両党の上院議員と会談する予定だと、複数の報道機関が伝えている。ある議員補佐官はPoliticoの取材に対し、Pichai氏は他の話題とともに反トラスト法案についても議論する予定だと話した。
AppleのCEOであるTim Cook氏も、先ごろワシントンを訪れて議員らと会談した。CNBCによると、同氏はプライバシー保護法案について議員たちと協力する意思があると話したという。ただし、反トラスト法案には反対するとも伝えたとPoliticoは報じている。
企業幹部らによるロビー活動が盛んに行われているのは、米上院でThe American Innovation and Choice Online Actの採決が数週間のうちに予定されているためだ。この法案は、大手テクノロジー企業やその他のプラットフォームが自社製品およびサービスを競合他社より優先することを禁じている。法案が議会を通過し、大統領の署名で法律として成立すれば、ここ数十年の間で最も重要な反トラスト法(独占禁止法)への変更となるだろう。大手IT企業はビジネスのやり方やサービスの運営方法を変更せざるを得ず、会社の分割さえも可能性としてある。
法案が成立した場合、Amazonが自社のEコマースプラットフォームでプライベートブランド製品を競合他社の製品より優遇することや、Googleが「Googleマップ」などの自社サービスを検索結果のトップに表示すること、Appleが「iPhone」に自社のアプリケーションをプリインストールすることなどが禁じられる可能性がある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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