メタバースは今でも新しい概念なので、その言葉の捉え方は人によって異なる。メタバースについて、デジタルツインのためのスペースと考える人もいれば、より没入的なゲームと関連付ける人もいる。しかし、確かなことが1つある。大手企業は、メタバースでの地位を確立するために、すでに巨額の資金を投じている。
これらの投資の成果を得られるようにするため、複数の主要組織がメタバースの標準化団体Metaverse Standards Forumの創設を発表した。オープンなメタバースの構築に必要となる相互運用の標準化に向けて取り組むという。
NVIDIAのオムニバースエンジニアリング&シミュレーションテクノロジー担当バイスプレジデントのRev Lebaredian氏は米ZDNetに対し、「われわれは基本的に、インターネットの新しいインターフェースを作り出そうとしている。これは、常にある周りの世界へのインターフェースにより近いものに感じられる」と説明した。「私たちが暮らす世界によく似た3D世界だ」
同氏によると、この団体は「本質的に(メタバースを)より多くの用途に開放し、より多くの人々がより自然に参加して、あらゆる目的に利用することを可能にする」という。
創設メンバーには、Meta、NVIDIA、Microsoft、Autodesk、Adobe、Alibaba、Epic Games、華為技術(ファーウェイ)、Qualcomm、ソニー・インタラクティブエンタテインメントといった複数の大手テクノロジー企業のほか、小売大手のIKEAとWayfairも含まれる。さらに、Spatial Web Foundation、Web3D Consortium、Khronos Group、World Wide Web Consortiumなどの組織も参加している。
メタバースには、どのような標準が必要なのだろうか。その問いに答えるため、フォーラムのメンバーは従来のウェブの基盤を参考にしている。
「ウェブ以前の初期のインターネットは、非常に抽象的でシンプルなインターフェースを備えていた」とLebaredian氏。「表示されるのはテキストだけだった。ユーザーはダイヤルアップモデムで接続し、シェルでコマンドを入力する必要があった。基本的に、コンピューター科学者だけが利用するものだった。ウェブを導入したとき、われわれはウェブをより多くの人に開放した。今では、何十億もの人々がウェブにアクセスしている。画像やテキスト、動画を使って、より自然な方法でウェブを利用できるようになったからだ」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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