「ARKit 6」から読み解くアップルのARヘッドセット - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 編集部2022年06月21日 08時00分

4KのAR映像に対応?

 ARKit 6にはもう1つ、注目すべき新機能がある。ARエフェクトに4K動画を利用できるようになったのだ。この機能は、スマートフォンの場合は奇妙なものに思えるかもしれない。4KのAR映像を楽しむには、スマートフォンの画面は小さすぎるからだ。しかし、この機能はARオブジェクトを重ねた動画のキャプチャには役立つ。内蔵カメラで外界の動画とVRを組み合わせるVRヘッドセットの場合、高画質の映像をARに利用できることは大きなメリットだ。この手法はパススルー型MRと呼ばれる。

現実の池に浮かんだ仮想の海賊船を表示したスマートフォンの画像
提供:Apple

 Appleが開発しているとされるヘッドセットを含めて、パススルー型MRを用いるVRヘッドセットは、高画質の映像を背景に利用することで、配置した仮想オブジェクトのリアリティーを高める。例えば、「Meta Quest 2」ではモノクロの粗い映像しか利用できないが、以前に試したプロ仕様の「Varjo XR-3」では、きめ細かいカラー映像を利用できるため、より高度なパススルー型MRを体験できる。

 新しいARKitでは、部屋の細部を認識する速度が上がり、ARオーバーレイやモーショントラッキングをすばやく実行できるようになる。どちらもARヘッドセットが必要とする便利な機能だ。

ロケーションベースのARを利用できる都市はまだ限定的

 現実世界の場所に配置されたARオブジェクトをスマートグラスで「永続的に」閲覧できるようにするARマッピングの取り組みを、複数の企業が拡大している。Googleはストリートビューを利用できるマップ上で機能するARの拡大に取り組んでいる。NianticはAR向けの3Dマップをクラウドソーシングで作成中だ。SnapはLiDARを使って都市をスキャンしている。Appleも同じことをしているが、範囲は限られている。2022年は対象地域が広がる予定だが、これはAppleのARツールキットがロケーションベースのARを安定して動かせる場所は少ないことを意味している。Appleから普段使いできるARグラスが出るのはしばらく先になる見込みだが、それも当然だろう。バッテリー駆動時間やコスト、安全面の懸念に加えて、ARグラスが必要とする世界規模のマッピングフレームワークはまだ半分しか完成していないからだ。

空港の3Dマップビュー
提供:Apple

ヘッドセットは依然としてベールの中に

 Appleのヘッドセットが間もなく(2023年に?)登場するという記事は多いが、確実な情報はまだない。Appleの新しいソフトウェアツールから推測できることは多いが、どれも断片的な情報だ。それでもパズルのピースはそろいつつある。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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