パナソニック エレクトリックワークス社は6月8日、マンションの管理業務をIoT化するサービス「モバカン」を発表した。インターホンや管理会社のモバイル端末を連携し、管理業務を効率化、省人化する。首都圏エリアを対象に10月に提供を開始し、順次サービスエリアを拡大する。
マンションの管理業務は、メンテナンス会社への鍵の貸し出しや住民への各種お知らせの掲出、共用部の予約管理など多岐に渡る。しかし、昨今管理人のなり手が少なく、人件費の高騰や、人手不足などの問題も抱える。
モバカンは、マンション管理に関わる業務をデジタル化できるツール。共用部の予約申請などはダッシュボード(管理画面)を使って遠隔管理などができるほか、キーボックス経由で鍵を貸し出すなど、管理人の出動回数を減らせることが特徴だ。在宅でも対応できるなど、管理会社における働き方改革も促す。
パナソニック エレクトリックワークス社エナジーシステム事業部くらし空間イノベーションセンターコアビジネス推進室室長の川勝正晴氏は「管理業務のデジタル化は、住民の方にも需要が高く、導入へのハードルは低いと感じている。住民視点で見ると、掲示板に掲出されるメンテンナンスに関する情報や、理事会での議事録など、紙ベースでのやりとりは保管するだけでも手間。共用設備なども管理室に出向き、対面で予約する必要があり、管理人の方が不在であれば出直すなど、不便を感じるシーンもある」と現状の課題を指摘する。
モバカンでは、集合住宅のシェア約50%を持つパナソニック製のインターホンを用い、管理組合の議事録や掲示物の確認が可能。ゲストルームなどの共用施設をインターホンから予約できるなどの仕組みも整える。対応可能なインターホンは2016年以降に発売された、マンションHAシステム「IシリーズClouge(ブラウザ付)」と「DシリーズWindea(ブラウザ付)」。それ以前の機種や他社製については、スマートフォンアプリ版を提供し、対応していく計画だ。
既築のマンションを対象にしており、1〜500戸までの対応が可能。ボリュームゾーンは200戸程度の中〜大規模マンションとしている。パナソニックではマンション管理会社に販売をしていく計画だが、住民への説明などは「管理会社とともにマンションに出向いてサービスや機能などを紹介したい」とする。
戸数や共用施設の有無など、マンションの規模、設備によって価格は異なるが、費用は1棟につき月額3〜10万円。今後は住民向けのシェアリングサービスを充実させたり、住民と地域間の情報サービスを提供するなど、拡充していきたいとする。
「既築のマンションをターゲットにしているが、新築でも導入していただける。今後は2030年を目途に約4000棟の導入を目指す」(川勝氏)とした。
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