ソニーは6月7日、元会長兼グループCEOの出井伸之氏が6月2日に肝不全のため逝去したと発表した。享年は84歳。
出井氏は、1960年にソニーに入社。音響事業本部オーディオ事業部長、ホームビデオ事業本部長、広告宣伝本部長、クリエイティブ・コミュニケーション部門長などを歴任した後、1995年にソニーの第6代代表取締役社長に就任した。1998年にはCEOとなり、2000年から2005年まで会長兼CEOを務めた。
社長就任後は「デジタル・ドリーム・キッズ」というキーワードを掲げ、ソニーのデジタル・ネットワーク事業を積極的に推進。経営における監督と執行の分離をいち早く取り入れた執行役員制の導入、委員会等設置会社への移行など、グローバルなグループ経営体制の構築とコーポレートガバナンスの確立も進めた。
CEO退任後は、企業の変革支援やベンチャー企業の育成支援を行うクオンタムリープを設立し、同社とその子会社を通じて、ベンチャー企業と大企業の連携や、国内外の企業間の連携に尽力していた。
ソニーグループ 代表執行役会長兼社長CEOの吉田憲一郎氏は「出井さんは、1998年から7年間ソニーのCEOを務められ、グローバル企業としての成長に多大なる貢献をされた。特にインターネットがもたらすインパクトをいち早く予見し、ソニーにおけるデジタル化を積極的に推進されたその先見性には今でも驚かされる。私自身、1998年から2年間、出井さんのもとで社長室室長を務めたが、そこでの経験と学びは、自分の人生の転機ともなり、現在のソニーの経営にもつながっている。出井さんの多大な貢献と功績に心から感謝し、ここに謹んでご冥福をお祈りいたします」とコメントを寄せている。
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