はるやま商事 営業本部長の神瀬桂氏は「スーツで日本を健康にする」という同社の取り組みについて、改めて説明した。
「スーツは多くのビジネスパーソンにとって一番長い時間をともにする洋服のため、そんなスーツが着る人のストレスを軽減し、おしゃれに健康をサポートしてくれるものであれば……という願いから取り組みをスタート」(神瀬氏)。その際に「商品開発」「店舗の役割」「社員から健康に」の3つの約束を掲げてさまざまな取り組みを行ってきたという。
1つ目は「ストレス対策スーツ」や、タニタとコラボ開発した「「歩きたくなるスーツ『i-Suit SUPPORTED BY TANITA』」などの健康をサポートする機能性商品だ。
2つ目は、店舗が地域の健康支援拠点になれるように、2017年4月から体組成計や血圧が図れる「健康チェックコーナー」を店内に設置。2019年6月からは、ボディリフレッシュカプセルなどを併設し、会員が利用できる「ほっとひと息ステーション」の展開もスタートした。
3つ目は、残業しない社員にも残業代を支給するという「No残業手当」という制度を2015年4月から取り入れてきた。
こうした取り組みの中でほっとひと息ステーションは4年目を迎えたが、課題として「スーツを求めて来店した客への健康チェックコーナーの利用や商品提案は簡単なものではなく、衣服の売り場と健康への取り組みの間に接客動線上の距離感を感じていた」と神瀬氏は語る。
衣料品売り場と健康軸をうまく結びつけるためにどうすればいいのかタニタに相談していた中で、それを解決するツールとして提案されたのが今回の新サービスだったと神瀬氏は語った。
メンズスーツのサイズは40サイズ以上もあり、かつ複雑で分かりにくくい。「体型の変化」が来店の動機になっている客が多いため、購入の際にどうしても販売スタッフによる採寸が必要になる。
「新サービスでは、ご自身で体組成計に乗ることによって、スーツのサイズが分かるようになった。昨今の新型コロナ影響により、スタッフとの接触を不安に思う客もおり、人との非接触という観点でも有効活用できるツールだと考えている」(神瀬氏)
新サービスでは得られた体組成と年齢、性別のデータによって、個々に合った商品提案ができる。
「体脂肪率が標準以下の20代男性、体脂肪率が高めの40代男性といったように、タイプ別に商品提案を行い、より具体的な商品までセルフで選ぶことを可能にしている。体脂肪率や筋肉量の情報によって、スーツ以外のシューズや筋トレグッズ、サプリメントなど、細かい商品提案もできるようにしていきたい」(神瀬氏)
神瀬氏は、新サービスが「衣服と健康の架け橋になることを期待している」と語る。
「スーツを購入する目的で来店した客は必ずしも、健康に関心のある方ばかりではない。しかし本サービスでスーツのサイズを知りながら、体組成情報も必然と知ることで、健康に対する意識を持つきっかけとなることを期待している」(神瀬氏)
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