再度ソロ曲のパートに。メインステージのスポットライトが照らしたのは、スタンドマイクの前にたたずむ伊達さんの姿。淡いピンクを基調とした新衣装とまとって、かのんの「青空を待ってる」を歌いだす。ゆったりとしたバラードで、途中からマイクを手に花道を歩き、途中振り返る場面もありつつ、センターステージへと場所を変えながら、芯ある歌声を響かせていた。さらに淡い青を基調としたドレス風の衣装をまとって青山さんが姿を見せ、恋の「微熱のワルツ」を歌唱。バレエをイメージさせるダンスやしなやかな動きを見せながら歌い、優雅といえる空間に包み込んでいた。
ここで、伊達さんとLiyuuさんによる「Tiny Stars」に。TVアニメでも序盤の見どころとなっていた、かのんと可可が歌うアニメPVをバックに、2人も同じ衣装でパフォーマンス。これを経て、ソロ曲では最後となったペイトンさんによる、すみれの「みてろ!」に。すみれのセンター曲である「ノンフィクション!!」のドレス風衣装をまとって、野心を表現する楽曲を抜群の歌唱力で場内を圧倒するかのように歌っていた。
このあと、岬さんと青山さんが登場してダンスバトルに。岬さんは千砂都をほうふつとさせるキレのあるダンス、青山さんは恋をほうふつとさせる優雅なダンスを見せつつ、ペイトンさんも含めた3人でのダンスパフォーマンスも。そして伊達さんとLiyuuさんが合流し、そのままの流れで「ノンフィクション!!」の披露に。アニメPVではすみれが、ステージではペイトンさんがセンターに立ってけん引するようにパフォーマンス。続く「Day1」でもペイトンさんを中心にラップも織り交ぜながら歌い、ライブだからこそ盛り上がるという楽曲を披露していた。
このあとのトークで、3人のソロ曲について話題となり、伊達さんは歌に対して込めた想いが届いていたら嬉しいと話せば、青山さんは恋であればどのように踊るかを考えたとし、ステージで恋がいることが伝わればと語る。ペイトンさんは、興奮気味に「めちゃくちゃ楽しかった!」と気持ちを伝えていた。
またSunny Passionの結木さんと吉武さんも登場。2人でのトークパートも設けられ、お互いのメンバーについて話すという流れのなかで、吉武さんは悠奈にとって摩央は家族みたいな存在であり、2人が違う色を持っているからこそ、ひとつになったときのパワーが大きいと語る。また結木さんは摩央にとって悠奈は“ポカポカする存在”と表現し、Sunny Passionについては、お互いがお互いの補い合って高めあう関係が結木さんから見て好きと話していた。
幕間では、TVアニメでメンバーたちが夢を語るシーンにスポットがあてられたダイジェスト映像が流れ、終盤かのんが過去のトラウマを乗り越えようとするシーンを受けて歌ったのは「私のSymphony」。第11話をほうふつとさせるピアノのみの伴奏で伊達さんが歌いだすなか、独唱を続けるのではなく、Liyuuさん、ペイトンさん、岬さん、青山さんと、それぞれがキャストを務めるメンバーが、Liella!に加入した順番で歌い繋ぐ形で姿を見せ、それぞれが合流するように花道を歩くなか、5人がセンターステージに揃ったところでアップテンポな曲調でのパフォーマンスに。セットリスト上では、ライブならではのバージョンを示す「私のSymphony ~What a Wonderful Dream!! Ver.~」を披露していた。
さらに、TVアニメでは5人が揃った始まりの曲でもある「Wish Song」では、歌い終わったあと少し間が空き、5人から余韻に浸ってたという言葉が出るほど、情感を込めて歌唱。ここまでを振り返るトークを経て、仲間と出会って未来向かって進んでいくことを表現した「Dream Rainbow」を、5人の歌声を重ねて示すように歌っていた。
一旦本編が終了し、アンコールを求める拍手と、ラブライブ!シリーズではおなじみとなっていた、ミニメンバーによる掛け合いがあるミニドラマの上映を経て、5人が再登場。アンコールの1曲目は、TVアニメ1期のオープニングテーマ「START!! True dreams」。同曲の衣装に着替えた5人が、TVアニメオープニング映像のメンバーとともに軽快に歌う。さらに「Dreaming Energy」で元気な歌声を届け、手の振りにあわせて場内のコンサートライトも一緒に振る光景も見られていた。
終わりの挨拶では、それぞれが夢に関する話題を語る。とりわけ熱を入れて話していたのはペイトンさん。すみれの夢が主役になることで、それを一緒に叶えていきたいということを話しつつ、“すみれから言う勇気をもらった”として「私の夢は歌姫になることです」と、自身の夢を宣言。そして「(夢は)本当に好きなものなら、願い続ければ叶うものだと思ってます。夢を捨てずに、夢を捨てたらかわいそうだから、夢を見続けてください」と、場内に集まったファンに訴えかけるかのように熱く語ると、大きな拍手が巻き起こっていた。
青山さんは、今この瞬間も夢と思うぐらい楽しいことと、それはみなさんが楽しい時間を作ろうと思ってくださるからこそとして感謝の言葉を送りつつ、もし今夢がないと思っていても、今この瞬間を大切にしてほしいこと、この瞬間を忘れずに明日からも頑張ろうと思っていただける存在になりたいと語った。Liyuuさんは、この2ndライブがLiella!とって大切なものであること、そして自身が小さいころに描いていた夢が、まさに今叶ってる状態だとして「本当に幸せです」と、涙ぐみながら話していた。
岬さんは、かつて周りの人と夢を無意識のうちに比べていた時期があったことを振り返り、夢はその人自身にしか持てないものと気づき、今ある気持ちを大切にしてほしいと語るとともに、みなさんの心にそっと寄り添える存在でありたいと語った。伊達さんはライブ前にさまざまな気持ちが入り混じった状態になりつつも、笑顔でライブが進んだり、楽しさがぎゅっと詰まった時間になると、頑張って良かったという気持ちになるとともに、そのことで今日も夢が叶ったと思えるという。そして「みなさんと同じ気持ちになっているということが心から嬉しいです。最高に幸せです」と語り、感謝の言葉を送っていた。
新情報の発表では大阪城ホールでのライブ開催が告知され、このときは岬さんが兵庫県出身ということもあってか、ひとりしゃがみ込み、その後涙ぐむ一幕も。さらにTVアニメ2期の7月放送開始も告知され、拍手の音に包まれていた。そして最後に歌ったのは、新曲の「ユニゾン」。シャボン玉が無数に飛び交うなかで5人の歌声が重なるように響かせ、ライブを締めくくった。
1stライブツアーから約2カ月後というタイミングでの2ndライブとなるなか、新曲やソロ曲もさることながら、新衣装をお披露目も含めた多様なステージ衣装でのパフォーマンス、合間に行われたクラップタイムやダンスバトル、Sunny Passionの参加など、見どころも聴きどころも多いライブとなっていた。1stライブツアー最初の群馬公演を見たとき、初めての単独ライブとは思えないパフォーマンス力を持っているという感想を持ったのだが、ツアーによって重ねた経験と成長も随所に感じられ、改めて素直に「すごい」と驚いてしまうことばかりで、ポテンシャルは計り知れないと思えるステージとなっていた。
前述のように「What a Wonderful Dream!!」は「なんて素晴らしい夢」を意味する言葉で、トークでもさまざまな夢の話しが出てきたことも記してきたが、総じて夢が叶ったこと、夢が叶っている状態であると同時に、新たな夢を叶えていきたいという気持ちが伝わるものとなっていた。ライブを通じて夢を叶えて、新たな夢を生み出し、そしてみんなで叶えていく。それがLiella!の姿と思えた次第だ。
また余談ではあるが、筆者が個人的に印象に残った場面もいくつかある。Sunny PassionとLiella!が交互に3曲歌うところは、どこかライブ始まりのハイテンションから、夕暮れどきのさらなる盛り上がり、月夜を踊り明かす……というような時間の流れがあるようにも感じられる場面と思えたほか、「Dream Rainbow」において、1stライブツアーで歌ったときはTVアニメの世界観を表現するために、最後はあえて伊達さんひとりを送り出すような演出となっていたが、今回は5人が手をつないで締めくくるところにグッときたところがあった。また「ノンフィクション!!」は1stライブツアーでも歌われていた楽曲だが、メンバーがアニメPVでまとっているドレス風衣装で5人も歌ったことで、アニメPVの再現といえる光景が実現したのと同時に、ステージもショウとして“映える”ものになったのが印象的だった。
ほかにも、クラップタイムでの伊達さんからの質問で、“恋ちゃんのことが好きな人?”“すみれちゃんのことが好きな人?”などと、メンバーのことを一通り問いかけるなかで、いざかのんの番となったときには「私のことが好きな人……」と、少し声のトーンを落として問いかけた場面は、あくまでステージ上ではかのんとして立っているからこその“私”という表現だったと思うのだが、場内でドキッとしたファンも多いだろうことが想像できる場面でもあった。なにより、1stライブツアー群馬公演のときに、伊達さんの歌声が印象的と感じたことを思えば、かのんのソロ曲「青空を待ってる」も心に残るところ。後のトークのなかで伊達さんは、かのんも自身も歌うことが大好きで、歌に対する気持ちを込めて歌ったと語っているのだが、そのことが伝わる歌声のみならず、時折まっすぐ前を見て歌うときの目も引き込まれるような感覚を持つぐらいに印象的で、それも含めて曲の世界観を伝える力を強く持っていると感じた次第だ。
今後の展開について、2ndライブは新たに大阪城ホールでの開催が決定。「ラブライブ!スーパースター!! Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~ with Yuigaoka Girls Band」と題し、6月4日と5日に開催する。出演にはLiella!とともに、結ヶ丘女子高等学校軽音楽部の名前もある。詳細は、ライブ特設ページにて記載されている。
あわせて、かねてから制作を告知していたTVアニメ「ラブライブ!スーパースター!!」2期について、2022年7月よりNHK Eテレにて放送開始予定であることも発表した。
■ライブフォト
(C)2021 プロジェクトラブライブ!スーパースター!!
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