「Adobe Experience Cloud」が強化--メタバースやヘルスケア向けの施策を発表

藤代格 (編集部)2022年03月16日 07時00分

 Adobeは米国時間3月15日、3回目となる年次のオンラインイベント「Adobe Summit」開催にあわせた、「Adobe Experience Cloud」のアップデートなどを発表した。

 エンタープライズ向けの顧客データプラットフォーム「Adobe Real-Time CDP(Customer Data Platform)」や、メタバース、ヘルスケア向けの施策を強化。デジタルエコノミーにおける各顧客の“パーソナライゼーション”を強化するという。

 Adobe Experience Cloudの大きなアップデートの1つは、顧客を管理するためのプラットフォームAdobe Real-Time CDP(Customer Data Platform)の強化だ。

Adobe Real-Time CDPのイメージ
Adobe Real-Time CDPのイメージ

 ウェブ顧客のパーソナライゼーションを支援する「Adobe Target」との連携を強化し、数百万ユーザーのウェブにおける顧客体験をミリ単位でパーソナライズできるという。デジタルエコノミーで求められるスピードと規模で、コンテンツと顧客体験を提供できるとしている。

 そのほか、同意管理プラットフォーム「One Trust」と連携。同意データを直接Adobe Real-Time CDPへ取り込めるようになり、プライバシーに配慮したパーソナライズができる。

 データの収集、イベント転送機能の「Real-time CDP Connections」では、収集、エンリッチメント、配信の一連の流れを高速かつローコードで利用可能になる。顧客の行動やイベントに基づくリアルタイムなパーソナライゼーションにかかる時間を短縮するという。

Adobe Real-Time CDPのアップデート内容
Adobe Real-Time CDPのアップデート内容

 AIエンジン「Adobe Sensei」の活用も強化する。企業に対してコンテンツのパーソナライズだけでなく、収益と顧客行動の予測、データから施策に結びつけられるインサイトの取得などを提供するという。

Adobe Senseiの新機能
Adobe Senseiの新機能

メタバースに向けた「Experience Cloud」「Creative Cloud」の統合を開始

 メタバース向けの対応としては、Adobe Experience Cloudを、「Adobe Creative Cloud」と統合していく。まずは「Adobe Commerce」「Adobe Experience Manager」「Adobe Analytics」などを統合し、コンテンツの制作、エフェクトの適用などにおける3D機能の統合を強化する。

 そのほか、2022年中に「Substance 3D Collection」を刷新。機能を拡張するとともに、モデリングツール「Substance 3D Modeler」を追加する。さまざまな企業とのコラボも実施していくという。

メタバース対応への取り組み
メタバース対応への取り組み

ヘルスケア業界特化の「Adobe Experience Cloud for Healthcare」

 医療や保険、薬局といったヘルスケア業界向けには、特化した「Adobe Experience Cloud for Healthcare」を提供する。センシティブなデータを安全かつパーソナライズさせて活用できるプラットフォームになるという。

ヘルスケア業界向けに提供するAdobe Experience Cloud for Healthcare
ヘルスケア業界向けに提供するAdobe Experience Cloud for Healthcare

「適切なパーソナライゼーション」の提供を

 アドビ DXインターナショナルマーケティング本部 執行役員 本部長を務める祖谷考克氏は、今回のアップデートに伴う背景として、オンライン消費動向を追跡するアドビデジタルエコノミーインデックスによる、米国のオンライン支出が2022年に1兆ドルを超えるという予測を紹介。デジタルを中心とした経済活動の拡大に伴い、決済の選択肢、利便性といった消費者からのニーズが拡大しているという。

アドビ DXインターナショナルマーケティング本部 執行役員 本部長 祖谷氏
アドビ DXインターナショナルマーケティング本部 執行役員 本部長 祖谷氏

 「消費者の71%が、適切な時間と場所で提供される関連コンテンツ、つまり“パーソナライズ”されたコンテンツが、ブランドの信頼性を高めると答えている。一方、消費者と無関係、または設定を無視したような連絡などの、“不適切”なパーソナライゼーションは信頼の喪失につながる」(祖谷氏)。企業の一方的な目線ではなく、消費者ごとのプライバシーや安全性、利便性などを考慮した、適切なパーソナライゼーションの必要性を訴えた。

アドビデジタルエコノミーインデックスの調査(1)
アドビデジタルエコノミーインデックスの調査(1)
アドビデジタルエコノミーインデックスの調査(2)
アドビデジタルエコノミーインデックスの調査(2)

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