YouTubeは、ロシア国営メディアに関連するYouTubeチャンネルへのアクセスを全世界でブロックすることを明らかにした。これらのチャンネルは3月に入り、欧州全域でアクセスが制限されていた。この変更は即時有効になるが、「当社のシステムは対応に時間を要する見通しだ」と、YouTubeは公式Twitterアカウントでツイートした。
YouTubeのガイドラインは十分に立証された暴力的な出来事を否定、矮小化、軽視するコンテンツを禁止しており、ロシアのチャンネルはこのルールに違反しているためブロックするとYouTubeは説明している。また、このポリシーに違反する、ロシアのウクライナ侵攻に関するコンテンツも削除している。
YouTubeによると、ウクライナ侵攻などに関して、ポリシーに違反するチャンネル1000件以上と動画1万5000件超を既に削除したという。
また、YouTubeは「当社のシステムは、信頼できるニュース提供元に人々をつなぐ役割も果たしている。これまでに、われわれのホームページでニュース速報とトップニュースのセクションは、ウクライナで1700万回以上視聴されている」と述べている。
一方、ロシアの通信当局は、Metaがロシアの侵攻者に対する暴力を呼びかけるウクライナからのコンテンツを容認する判断を下したことを受け、Instagramを14日から禁止すると発表した。1週間ほど前には、同様にFacebookへのアクセスを遮断している。
英国の元副首相でMetaの国際問題担当プレジデントを務めるNick Clegg氏は、ロシア政府がMetaを「過激派組織」に指定することを検討しているとの報道について、考えを示した。Metaがヘイトスピーチに関する規則を変更したことなどから、ロシアはMetaに対する刑事捜査に着手したとReutersは報じた。
Clegg氏は、「はっきりさせておきたい。当社のポリシーは、自国への軍事侵攻に対する自己防衛を表現する人々の言論の権利を守ることに重点を置いている」との声明を出した。「実際には、当社の標準的なコンテンツポリシーを調整せず適用すれば、ウクライナの一般の人々が侵攻部隊への抵抗と憤りを表現するコンテンツを削除しなければならない。当然、受け入れ難いこととしてとらえられるだろう」(Clegg氏)
このポリシーは一時的なものであり、ウクライナのみで適用されるとClegg氏は述べている。
同氏は、「ロシアの人々に不満があるのではない」とし、「ロシアの人々に関して、ヘイトスピーチのポリシーに変更はない。われわれは当社のプラットフォームで、反露感情、あるいはロシア人に対するいかなる種類の差別、嫌がらせ、暴力も容認しない」とコメントした。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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