Googleは米国時間3月8日、サイバーセキュリティ大手Mandiantを54億ドル(約6200億円)で買収すると発表した。MandiantはGoogle Cloudに加わる。
Mandiantはバージニア州レストンを拠点としている。GoogleはMandiantを1株当たり23ドル(約2700円)で全額現金で買収する。2022年中に取引を完了する見通しだ。
MandiantはFireEyeの子会社だったが、2021年に「FireEye」製品事業が売却されたことを受け、Mandiantとしてビジネスを再出発させた。
Google Cloudの最高情報セキュリティ責任者(CISO)Phil Venables氏は「今日の厳しさを増す環境で、セキュリティはかつてないほど重要になっている」と述べている。
Mandiantの最高経営責任者(CEO)Kevin Mandia氏は、クラウドセキュリティが切実に必要とされている今、Googleのサイバーセキュリティ分析とMandiantの自動防御技術を組み合わせることで、大きな役割を果たせるようになるとコメントした。
ロシアによるウクライナ侵攻が続いている。サイバーセキュリティ専門家はこれまで、両国間の紛争にはサイバー攻撃が伴い、世界的に波及効果を及ぼす恐れがあると予想していた。また、ロシアが米国や北大西洋条約機構(NATO)加盟国を脅威とみなす場合、そうした国々を直接標的にする可能性があると推測していた。
さらに企業、政府、重要インフラなどすべてが、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃や、事業停止を狙った攻撃の脅威に直面している。また、サイバーセキュリティの専門知識を持つ人材の需要が高まっているが、業界における大幅な人材不足が指摘されている。自動化の拡大は、そのような人材を最大限に生かす上で有用になるとMandia氏は述べている。
WedbushのアナリストDaniel Ives氏は、投資家向けのメモで、特にロシアの脅威を考えると、今回の買収はクラウド業界の「統合の大規模なフェーズ」の始まりとなる可能性があると指摘した。現在、AmazonやMicrosoftは、プラットフォームのセキュリティを「一層強化する」必要に迫られている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス