大和ハウス工業は2月17日、同社の戸建住宅の全工事現場において、ウェブカメラの導入を開始した。年間約7000棟の工事現場への設置を目指す。
大和ハウス工業によると、工事現場における監督は、工程の進捗確認や作業員への技術的な指導など、効率化が進んでいない業務が多く、雇用確保のために労働環境の改善が求められているという。
特に戸建住宅などの小規模な工事現場の監督は、複数の現場を兼務することが多いため、現場を巡回する移動時間が負担となっており、工事現場の作業員も、監督の到着まで待機する時間が発生し、長時間労働の一因となっていた。
それら課題に対し、大和ハウス工業では、現場監督の業務効率向上を図るため、2020年10月1日から2021年12月31日までの期間、一部の工事現場にウェブカメラを導入し、建設DXの実証実験を実施している。
実証実験では、工事現場に設置されたウェブカメラから、工事状況や資材の運搬状況のデータを収集し、全国12カ所の事業所に設置した、複数の工事現場を遠隔管理できるシステム「スマートコントロールセンター」から一元管理を行った。
これにより、現場監督は現地に行かなくとも、タブレット端末やモニターなどで作業員との円滑なコミュニケーションが可能となり、これまでに試験運用した戸建住宅約3400棟の工事現場で、現場監督の業務効率を約15%向上できたという。
今回、実証実験の効果に基づき、全国の戸建住宅の全工事現場にウェブカメラを標準設置することを決定。今後は、全ての戸建住宅工事現場で導入するウェブカメラの映像をAIで分析するなど、建設DXをさらに推進し、2026年度までに、戸建住宅の工事現場監督の作業効率30%向上を目指すとしている。
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