初期のFitbitやすでに市場から撤退済みのJawbone、シンプルな歩数計、ストラップ式の心臓モニターなど、皆さんが初めて所有したフィットネストラッカーは、おそらく歩数や消費カロリーを測定するくらいの機能しか備えていなかったはずだ。一方、初期のスマートウォッチは、スタンドアロンデバイスではなく、基本的にスマートフォンありきのデバイスのような感じがした。
しかし、それから2022年までの間に、多くのことが変わった。スマートウォッチはもはや、アーリーアダプターやフィットネスマニア向けのニッチなデバイスではなくなっている。Pew Research Centerの2020年のレポートによると、米国成人の約5人に1人はスマートウォッチまたはフィットネスバンドを普段から装着しているという。また、Strategy Analyticsによると、世界のスマートウォッチ出荷台数は2021年第2四半期に前年同期比で47%増加し、同業界で2018年以降最高の成長率を記録したという。
今日の手首装着型デバイスは、包括的なフィットネスガジェットに進化しており、手首から心電図(ECG)を読み取る機能や睡眠の質をモニタリングする機能、血中酸素飽和度を測定する機能などを備える。それらの機能は多くの機会を与えてくれるが、ものごとをややこしくもする。私たちは、自分の心拍数、睡眠と活動の量、全体的なウェルビーイングについて、かつてないほど多くのデータにアクセスできるようになった。だが、新しい高度な健康指標の中には、簡単には理解できないものもあり、本当に役に立つのかという疑念が生じている。
そのため、現在のウェアラブルでも、次世代のウェアラブルでも、補足的な情報とパーソナライゼーションが重要になる、と医療専門家やテクノロジー企業の幹部、業界アナリストは述べている。医療関係者は、より高度な指標(血糖値の変化など)を検出する未来のフィットネスデバイスの可能性やウェアラブルが予防医療に果たす役割にも期待している。
近い将来に実現する可能性の高いことの1つが、健康データの有用性とパーソナライズ性の向上だ。OuraやWhoop、Fitbitはすでに、それぞれのスコアリングシステム(有料のサブスクリプションが必要なものもある)によって、業界をこの方向に導こうとしている。
例えば、OuraとFitbitはいずれも、装着者が激しいトレーニングと休息のどちらを優先すべきか判断するときに役立つスコアを提供している(Ouraのスコアは「コンディションスコア」、Fitbitのスコアは「今日のエナジースコア」と呼ばれる)。これらの数値は、安静時心拍数の変化、睡眠、活動、身体が発するその他のシグナルなどの指標に基づいている。Whoopも、ユーザーの身体が激しい運動をしても大丈夫な状態なのかを判断するのに役立つ、同様の回復スコアを提供している。
Ouraの最高製品責任者(CPO)のChris Becherer氏によると、Ouraのコンディションスコアは、ヘルストラッキングに対する同社の全体的なアプローチを具体化したものだという。つまり、デバイスは数字やデータポイントとともに、それを理解するための補足情報も提供する必要があるという考えだ。また、Becherer氏は、2021年10月にリリースされた生理日予測ツールなどの新機能でもそのアプローチを継続し、同じように役立つ洞察を提供できる場合にのみ、Ouraは新しいタイプのヘルストラッキングを導入していく、としている。
「単純に新しいものを追加することだけが目的ではない」とBecherer氏。「われわれは、それをOuraの持ち味である、包括的でユーザーフレンドリーな体験と調和するものにする」
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